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2014年12月25日 (木)

違法労働@『JIL雑誌』2015年1月号

New『日本労働研究雑誌』2015年1月号は「違法労働」が特集です。

http://www.jil.go.jp/institute/zassi/new/index.htm

「違法労働」というのは、世間で「ブラック企業」と言われている現象を指しているようです。水町勇一郎さんが書いている「解題」から:

http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2015/01/pdf/002-003.pdf

 「ブラック企業」の存在が社会的に問題となっている。労働法規や労働契約上の義務など法を遵守しないで働かせる「違法労働」や,労働環境が劣悪で離職率が高いといった特徴がみられる「ブラック企業」が横行することは,労働者保護はもちろん,公正な企業競争を阻害し経済や社会の発展を損なうという問題にもつながる。・・・・・・・しかし,この問題の学術的な研究は必ずしも十分にはなされていない。日本の違法労働はどのような歴史的経緯で今日に至っているのか。その原因構造はどのようなものか。国際的にみて日本の違法労働やその監視制度はどのような特徴をもっているのか。違法労働問題に対し現行法はどのように対応し,今後,労働政策としてどのような対応が考えられるのか。本特集は,違法労働問題について学術的な分析・考察を深め,日本における違法労働問題の構造と課題を明らかにしようとするものである。

特集記事は次の通りです。

労働形態と法規制 野川忍(明治大学法科大学院法務研究科教授)

法を守る動機と破る動機─規制と違法のいたちごっこに関する試論 飯田高(成蹊大学法学部教授)

違法労働の発生要因と従業員の主観的ブラック企業認識─職場の特性やHRMに着目して 小林徹(JILPT臨時研究協力員)

「違法労働」の国際比較 小倉一哉(早稲田大学商学部准教授)

「違法労働」監視制度の国際動向 鈴木俊晴(大東文化大学環境創造学部非常勤講師)

違法労働に関する法的対応─規範・主体・手法の概要と課題 坂井岳夫(同志社大学法学部准教授)

「違法労働」と労働政策 山川隆一(東京大学大学院法学政治学研究科教授)

どれも読み応えのある論文です。

あと、今号の話題は、金子良事さんの『日本の賃金を歴史から考えるを』を、大変な人が書評していることです。

大変な人?ええ、金子さんが前に大原雑誌で書評した人です。

アンドルー・ゴードン。そう、『日本労使関係史』のあのゴードンさんが、金子さんの処女作を書評しています。

本書は、日本における賃金の歴史の様々な局面について、思索に満ちた考察を展開している。・・・・・・・比較の視点を持って日本の歴史を相対化するこの試みは、大いに歓迎されるものである。

と、評価する言葉から始めて、

・・・本書には賞賛すべきところがたくさんあるが、疑問に思う見解もある。・・・

と、同じ専門分野の大先輩として厳しい言葉も投げかけています。

最後のこの一節は、本書の書評の形を借りて、労働の歴史をまともに語ることがほとんど絶え果てた現代日本の知的状況をやんわりと皮肉っているようにも思われました。

・・・更に本書は、労働組合のリーダー、組合員、そして企業の人事・労務管理担当者にとって非常に有用な資料であるだけでなく、労働や労務管理の歴史に関する講座の教科書として役立つであろう(そのような講座が日本で-又はどこか他で-継続して広くもたれているかどうかは別問題である)。評者はこれらのグループすべての方々に本書を推奨した。

(参考)

金子さんによるゴードン名著の書評はこちら:

http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/oz/650/650-07.pdf

ついでに、それに対するわたくしのコメント:

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-c4a4.html


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» ゴードン先生の書評へのリプライ [社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳]
年末に刊行された『日本労働研究雑誌』2015年1月号でアンドルー・ゴードン先生に『日本の賃金を歴史から考える』を書評していただきました(刊行後、3ヶ月経つとWEBでも読めるようになるので、そうしたらリンクを貼りたいと思います)。ありがとうございました。 年末に濱口先生にご紹介いただいていたのですが、最後に研究所に行ったときにバタバタして確認できなかったので、ついつい時間が過ぎてしまいま...... [続きを読む]

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