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2014年11月25日 (火)

松尾匡『ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼』

9784569821375 松尾匡さんより近著『ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼』(PHP新書)をお送りいただきました。ありがとうございます。

http://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-82137-5

シノドスで連載されていた論考をまとめたものですが、まとめて一気に読むと、あらためて松尾節の響きが五臓六腑に染み渡る感がありますね。

本書のコアは、まえがきの最後にわざわざ太字で書かれている「リスク・決定・責任の一致が必要」ということであり、そうなっていないが故に失敗した例として繰り出されるのは、かつてのソ連型社会主義体制・・・だけでなく、原子力発電所も、日本型株式会社の無責任体制、金融自由化で好き放題やった連中、そして橋下徹路線等々。

版元の解説に

世界の経済史を紐解き、リスクを負わない政府・国家がいかに破綻への道を歩んだのかを検証。あるべき経済政策を提言する論考。

とか、

公共事業や福祉のバラマキは巨額の財政赤字を生み出したと言われ、それに代わる新自由主義政策もグローバル資本主義の犠牲者を増やし続けている。

とあることについて、著者の松尾さん自身が御自分のサイトで誤解を招きそうだなと懸念しています。

この本人による解説が簡にして要を得ているので、参考になります。

http://matsuo-tadasu.ptu.jp/essay__141124.html

(追記)

山下ゆさんが本書に関してこうつぶやいていますが、

https://twitter.com/yamashitayu/status/536181564653072384

あと、松尾匡『ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼』の中に、小野善康、大瀧雅之、齊藤誠を日本三大ケイジアンがいずれも「インフレ目標政策に否定的」と書かれている部分があるんだけど、そのあたりについての、この3人の誰かと松尾氏の対談が読みたいですね。

小野さんや大瀧さんの本は読んでとてもスリリングだったので、このリクエストは私からも!

(参考)

本ブログにおける松尾匡さん関連エントリ

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_2040.html(松尾匡さんの「市民派リベラルのどこが越えられるべきか 」)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_9944.html (松尾匡さんの右翼左翼論)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_bd6d.html(松尾匡「はだかの王様の経済学」)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/post-be58.html(松尾匡『不況は人災です』)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-7471.html(松尾匡さんの人格と田中秀臣氏の人格)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-62b1.html(松尾匡『図解雑学マルクス経済学』)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/post-4298.html(「ショートカット」としての「人類史に対する責任」@松尾匡)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-b671.html (松尾匡センセーの引っかけ問題に引っかかる人々)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-efe7.html (松尾匡『新しい左翼入門』)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-5d20.html(松尾匡さんの絶妙社会主義論)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-26a5.html(松尾匡さんが、TPPの俗論を斬る!)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-bfae.html (つか、それこそが金融左翼なんだが・・・)

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コメント

いつも拙著紹介していただきありがとうございます。版元の紹介文の懸念の件も触れていただきまして恩に切ります。

濱口さんの本のタイトルはいつも内容ぴったりのがついていて、それでいて売れてそうなのでいいですね。

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