『そろそろ「社会運動」の話をしよう』
仁平典宏さんから田中優子+法政大学社会学部「社会を変えるための実践論」講座 編著『そろそろ「社会運動」の話をしよう』(明石書店)をお送りいただきました。いつもありがとうございます。
http://www.akashi.co.jp/book/b184971.html
「社会を変える」ことなんかより自分の生活や周りとの人間関係にしか興味がなかった――そんな私が、問題に当事者として直面したとき、いかにそれを社会や世界の問題として捉え、解決に向け行動できるようになるのか? そのノウハウを詰め込んだ法政大学人気の講義、待望の書籍化。
この本は、法政大学社会学部のキャリア支援科目として2011年度から行われている「社会を変えるための実践論」講座の中身を本にしたもので、冒頭の「ブラックバイトと労働運動」を仁平さんが書かれています。
仁平さんと言えば、『POSSE』のちょっっとあれな社会学入門が話題ですが、この講義では、自らの学生時代の「「社会を変える」とか言っている奴が苦手だった」頃を振り返り、それと対極的な現代の若者岩井君がバイト先の不払い残業に疑問を感じて、ユニオンに加入して運動する姿を描き、昔の自分に向けて「運動を楽しんでいいんだよ」と語りかけるというストーリーになってます。
第1章 ブラックバイトと労働運動――「僕」と「彼」の交差点[仁平典宏]
「社会を変える」とか言っている奴が苦手だった
労働組合? なにそれおいしいの?
非正規雇用と「新しい労働組合」
「ブラックバイト」で働く大学生
半径3メートルから〈社会〉へ
「ランチ880円」の思い出
楽しんでよい
その中で、労働組合とユニオン、ブラック企業とブラックバイト、などについてさりげに解説していって一コマ分。多分テーマが学生たちにとって「ひと事」じゃない「自分事」であるだけに、食いつきが良かったのでしょうね。
権利とか人権とかいう言葉を、まずは「自分事」として捉えるところからしか、物事は動き出さないという話は、このブログでもなんかいも繰り返した気がしますが。
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