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2014年11月13日 (木)

連合総研『賃金のあり方に関する論点整理』

Rials連合総研のブックレット『賃金のあり方に関する論点整理』がアップされました。

http://rengo-soken.or.jp/report_db/file/1415756743_a.pdf

長期雇用慣行や年功型賃金などに支えられた「日本的」雇用システムについて、その見直しや再評価の動きが繰り返される一方で、「男性稼ぎ手モデル」も見直しを迫られており、片稼ぎであっても、共働きであっても、誰もが安心して働き続けられる社会をつくるということが求められています。また、主たる生計維持者でありながら非正規雇用労働者として働く者や、いわゆるワーキングプアが増えていることから、社会全体としての労働条件の底上げも新たな課題となっています。これらの課題を考えるうえで重要な視点は、正社員と非正規雇用労働者を別々に考えるのではなく、どのような雇用形態であっても適用されるトータルとしての働き方や処遇のあり方をどのように考えていくかということです。
連合総研では、以上の問題意識から、2013年10月より「雇用・賃金の中長期的なあり方に関する研究委員会」を立ち上げ、正社員と非正規雇用労働者を含めたトータルとしての働き方や処遇のあり方を模索することとしました。

というわけで、彼らは「めざすべき賃金」の在り方として、

誰もが、一定水準の仕事スキルに達することができ、社会的な生活を送ることができる賃金水準へ到達すること

を提示します。

とはいえ、この一見単純そうな言葉が、日本型雇用システムの中ではなかなかに難しい問題をいっぱい抱えます。

「一定水準の仕事スキル」ってなあに?

産業横断的に労働協約等でこの仕事のこのスキルレベルはいくらと決められる社会と違い、初任給に毎年の査定付き昇給で上がっていく賃金が指し示すものは一体何なのか?「知的熟練」?

「社会的な生活を送ることができる」ってなあに?

旧来のような女房子供を食わせられる賃金という家父長的観念を振り回すこともできなければ、自分一人だけを食わせられる賃金ではいうまでもなく社会の再生産は不可能。

ここでは「「親1人・子1人モデル」(共稼ぎなら子2人の養育が可能)を目安というなかなかに穏当な考えを提示していますが、話はそこでは終わらないはず。

なんにせよ、これは中間報告なので、今後どういう方向に議論が進んでいくのか、注目しつつ見守りたいと思います。

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