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OECDの職業大学論

Oecdskill昨日(11月13日)、OECDが「Skills beyond School - The OECD Review of Postsecondary Vocational Education and Training」(『学校を超えた技能-中等教育後の職業教育訓練のOECDレビュー』)を発表しました。

http://www.oecd.org/edu/innovation-education/skillsbeyondschool.htm

最近、G型大学L型大学という粗雑な議論のために、おかしな偏見を持っている方が多いように見受けられる高等教育レベルの職業教育訓練という先進国共通の重要課題について、まっとうな議論というのはこういうのを素材にしてきちんとやるものであるといういい教材になるテキストですので、ここで紹介しておきます。

Higher level vocational education and training (VET) programmes are facing rapid change and intensifying challenges. What type of training is needed to meet the needs of changing economies? How should the programmes be funded? How should they be linked to academic and university programmes? How can employers and unions be engaged? This report synthesises the findings of the series of  country reports done on skills beyond school.

高等レベルの職業教育訓練課程は急速な変化と加速する課題に直面している。変化する経済の必要にどんなタイプの訓練が求められるのか?いかにその課程はまかなわれるべきか?アカデミックや大学課程といかにリンクされるべきか?使用者や組合はどう関わるべきか?・・・

目次は以下の通りですが、

  • Chapter 1. The hidden world of professional education and training
  • Chapter 2. Enhancing the profile of professional education and training
  • Chapter 3. Three key elements of high-quality post-secondary programmes
  • Chapter 4. Transparency in learning outcomes
  • Chapter 5. Clearer pathways for learners
  • Chapter 6. Key characteristics of effective vocational systems

OECDの職業教育訓練関係の報告書を紹介するときはいつもそうなんですが、こういう重要な政策課題のレビューに、我が大日本国は入っていないんですな、これが。

Full country policy reviews are being conducted in Austria, Denmark, Egypt, Germany, Israel, Kazakhstan, Korea, the Netherlands, South Africa, Switzerland, the United Kingdom (England), and the United States

日本国政府が、日本人が、いかにこの領域に関心が欠如しているかを世界中に知らしめているわけですが、それなるがゆえに、例のG型大学L型大学騒ぎのときのネット議論のレベルの低さでもあるわけなんでしょう。

上記リンク先から報告書が全文ダウンロードして読めますので、馬鹿騒ぎ以上の議論に触れたい方々は、是非どうぞ。

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コメント

>例のG型大学L型大学騒ぎのときのネット議論のレベルの低さでもあるわけなんでしょう。

とのことですが、件のレポートの指す「職業教育』の内容の酷さはスルーですか?ああ言うレポートが上がっている時点で国は大学レベルの職業教育はあの程度で十分だと言考えているも同然ですが、あなたもそれに同意されているいう事ですか?

投稿: Y@大阪 | 2014年11月15日 (土) 09時13分

>Y@大阪様
冨山和彦氏の例示した内容の粗雑さや酷さについて、hamachan先生は何度も言及されています。
大事なことは、現在および今後の社会構造の変化に対応して、大学における職業教育のあり方について考えること、議論することだと、同じく何度も何度も訴えています。
冨山氏の示した一例に感情的に反発しても何の益もありません。
最も重要なのは、では何を教えるべきかだと思います。
売上目標に追い詰められ、人間関係に悩み、疲労と不安が日々蓄積されていく会社人生をスタートする大部分のL型学生にとって、必要な高等教育とは何なんでしょう?
教育サイドよりも実務サイドが考えなければいけない問題だと思います。

投稿: 人事部OB | 2014年11月15日 (土) 10時54分

人事部OB様

>冨山和彦氏の例示した内容の粗雑さや酷さについて、hamachan先生は何度も言及されています。

ご自分が提案する制度の推進の邪魔になるからと言う理由では確かに批判されてますね。が、一方で、その制度下で極めて質の低い教育が提供されかねないと言う巷の危惧の声を「低レベル」と嘲笑されてます。こちらの先生のそう言う言説は総合すれば「自分が善しとする教育制度が出来さえすれば、その下で実施される教育の内容は関知しないという」はなはだ無責任な考えの表明に私には見えます。

>冨山氏の示した一例に感情的に反発しても何の益もありません。

国レベルの会議に出てきた以上、役人の腹はああ言う内容の教育で行くと腹を決めてるのではないかと危惧しています。感情的な反発ではありません。

>教育サイドよりも実務サイドが考えなければいけない問題だと思います。

仰るとおりです。大卒レベルの職業人に何を求めるのか各業界から具体的に提案すべきだと思います。まさか、あのような内容でいいとは思ってないでしょう。

投稿: Y@大阪 | 2014年11月15日 (土) 15時19分

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