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2014年10月 9日 (木)

三井正信『基本労働法Ⅲ』

33270三井正信さんの浩瀚なテキスト『基本労働法Ⅲ』(成文堂)をお送りいただきました。ありがとうございます。

http://www.seibundoh.co.jp/pub/search/027953.html

三井さんのこのテキストのシリーズは、一昨年に『Ⅰ』をお送りいただいたときに本ブログで紹介しております。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-a669.html

この本は、ロースクールの授業をもとにしたテキストブックであり、Ⅰが総論と労働契約法、Ⅱが労働条件決定・変更システム、Ⅲが集団的労使関係と紛争解決という予定だそうです。ざっと通読してⅠが大変面白かっただけに、ⅡⅢを早く読んでみたいという思いが湧いてくる本です。

さて、本書のテキストブックとしての特徴としてわたくしが感じた点は、大きな枠組みに関するところと、コラムに表れる自分史表白的なところです。

まず前者ですが、Ⅰだけでも全編にわたって日本的雇用慣行との関係における労働法制という問題意識が強く示されていて、ある意味で拙著『日本の雇用と労働法』と通じるものも感じられました。いや、もちろん、素人向けの拙著と違って、ロースクールというプロ仕様のテキストですが。

あれ?Ⅰの次はⅡじゃないの?と感じた方、そう、Ⅱよりも先にⅢが出たのですが、その理由は、

・・・当初、Ⅱの執筆作業を開始したのであるが、2012年12月に自民党が政権に復帰し、アベノミクスのもと個別的労使関係法についても法改正などにより大きく変動する可能性が出てきた。それ故に、かりにⅡを刊行してもすぐに改訂の必要が生じるかも知れないような状態となっている。そこで、ひとまずはそのような動きを見守り、先に動きの少ない労使関係法の方を完成させることとした次第である。したがって、安倍政権のもとでの個別的労働関係法の動きが一定明確になった時点で、Ⅱの執筆を再開したいと考えている、ご容赦願いたい。

ということだそうです。

まことにもっともですが、逆に言うと、集団的労使関係法制がいかに動きがなく、いつ書こうが大して変わらないものになってしまっているということで、これはこれで問題のような・・・。

ここまで著者の個人史が色濃く描かれたテキストブックはあまりなかったのではないかと・・・

いう特徴はⅢでも健在で、冒頭いきなり、「お父さん、組合作りませんか」というコラムが

昔、まだ大阪に住んでいた頃の話である・・・

で始まり、

「企業別組合と事業場組合」というコラムでも

・・・筆者がかつて某鉄鋼会社に勤めていたときのことを思い出せば・・・

という調子です。

しかし、本書で特筆すべきはなんといっても、最後の第8章「労働組合の将来と労働者の利益代表システム―労使関係法の今後の方向性―」という部分でしょう。

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