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2014年10月29日 (水)

それは7、8年前からの持論です

労務屋さんが、読売新聞に載ったわたくしの見解について詳細な批判を書かれているのですが、

http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20141029#p1 (hamachan先生、新しい労働時間制度で「高給の非管理職に高すぎる残業代を払わない」ことは難しいと思います。)

実体的な議論についてはそれとして議論する必要がありますが、それ以前に、私の繰り返し述べている主張について、若干認識が違うのではないかと思われる記述が・・・。

hamachan先生はこのところ(だと思うのですが)「実際は「高給の非管理職に高すぎる残業代を払いたくない」という、これはこれでもっともな理由があるのではないか」というご意見を述べられることが多く、おそらくは海老原嗣生さんあたりの話を聞いてそう思い込まれているのではないかと想像しているわけですが、これはおそらく間違いではないかと思います。

いや、海老原さんはいろんな点について共感するところが多く、最近は同志という思いを強く有してはおりますが、少なくともこの点に関しては、もう7,8年前から、それこそほかに誰もそういうことを言わなかった頃から、わたくしが一人孤軍奮闘するような思いで論じ続けてきた論点であるだけに、「おそらくは海老原嗣生さんあたりの話を聞いてそう思い込まれているのではないかと想像」されるのは少々心外の想いであります。

この論点を明確に述べた最初の論文は、『労働調査』2006年10月号で、

http://homepage3.nifty.com/hamachan/rodochosaexempt.htmlホワイトカラーエグゼンプションの建前と本音と虚と実と

・・・・改めて、最初の「対立点」に戻ろう。使用者側は、労働時間にかかわらず成果で賃金を払いたいと考えている。物理的労働時間あるいは拘束時間そのものを健康確保の観点から規制すること自体を否定しているわけではないらしい。それに対し労働側は、少なくとも主たる主張としては、長時間労働によって過労死や過労自殺のリスクが増大することを問題としており、賃金と労働時間のリンクをゆるめること自体を否定しているわけではないであろう。とすれば、両者は何ら本質的に対立しているわけではない。

 現在テーブルに載っている「自律的」という虚構の上にでっち上げられた労働時間規制の適用除外の提案は一旦白紙に戻し、その代わりに、どういう要件をクリアすれば労基法第37条の時間外・休日手当を適用除外してもよいのか、労働時間とリンクしない賃金制度をどこまで認めるのか、という問題設定に造り替えて議論してみたらどうだろうか。そうすれば、今のような全くすれ違いの神学論争ではなく、年収がどれくらいのレベルであれば時間外手当がなくてもいいのか、という労使の利益論争になる。ここで具体的な数字を挙げるのは適当ではないが、昨年日本経団連の示した年収400万円と、モルガン・スタンレーの月給180万円の間のどこかに答があるに違いない。

 その際、労働側は「それはサービス残業の合法化で許されない」といった議論の仕方を控える必要がある。サービス残業であれ、手当の払われる残業であれ、長時間労働は長時間労働であることによって労働者の健康を害するのであり、健康確保という観点からは同罪なのだ。むしろ、実効性のある拘束時間規制(あるいは裏返して休息期間規制)をいかに構築していくかこそが、現実に長時間労働を余儀なくされている多くのホワイトカラー労働者にとってもっとも必要な施策ではなかろうか。 

その後『世界』2007年3月号で、

http://homepage3.nifty.com/hamachan/sekaiexemption.htmlホワイトカラーエグゼンプションの虚構と真実

その後も機会あるごとに繰り返し論じてきた論点でして、少なくともこの問題について過去7,8年間ずっとこういう議論の立て方をし続けてきた論者はわたくしだけではないかと思っているだけに、その論点そのものが根本的に間違っているぞという正面からの反論をされるのであれば結構ですが、最近になって人の影響で言い出したような言い方はいかがなものか、と。

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コメント

「実体的な議論についてはそれとして議論する必要があります」の「実体的な」ことについて、コメントいたします。
ホワイトカラーエグゼンプションの対象と想定されるのは、労務屋さんと同様、私も、「高給の非管理職」でなく、「管理職一歩手前の人」と考えます。
数年前、私の職場には、ベテランの非管理職(以下、年上部下)と年下上司がおり、定期的に以下の会話が繰り広げられ、周囲は苦笑していました。
  年上上司:うちの係には仕事がたくさんあります。やって頂けませんか。
  年上部下:いえ、これ以上働くと、残業がつきますので。お先に失礼します。
  年下上司:いえいえ、残業して頂いても、大丈夫ですよ。
  年上部下:いやいや、残業代がついてはいけませんから、お先に失礼します。
  年下上司:・・・。
私の職場では、「高給の非管理職に高すぎる残業代を払いたくない」という話は、聞いたことがありませんでした。むしろ、残業代がついてもよいから、もっと働いてほしいという悩みだと思います(この悩みが、成果向上につながる正しい課題設定かどうかは、議論する必要があるとは思います)。私の勤務する会社が特殊であり、日本の多くの会社では、「高給の非管理職に高すぎる残業代を払いたくない」という悩みを抱えているのでしょうか?
一方で、「管理職一歩手前の人」に関しては、労務屋さんのおっしゃるとおりで、付け加えることはありません。

その年上部下氏は、ホントに
残業代がついてしまうからという理由で残業を拒否していたのでしょうか?
言い換えれば、残業代がつかなくなれば、喜んでいくらでも残業する気が本気であったのか、というあたりが、何だかなあ、というエピソードですね。
もちろん、そういうこともありうることを否定するわけではないですが。

hamachan先生、コメントありがとうございます。会社は必ずしも残業代を避けたいと思っている訳ではない、という事例として挙げさせて頂きました。「その年上部下氏は、ホントに残業代がついてしまうからという理由で残業を拒否していたのでしょうか?」については、本当に悩ましいです。会社のコストを上げないためなのか、仕事より優先することがあるからなのか、単に仕事がつまらないと思ったのか、他に理由があるのか。そもそも若手社員はなぜ残業を拒否しないのか。話をそらして恐縮ですが、「働かないオジサン」という、別の大きな問題をはらんでいると思います。これについても、先生の著書・ブログを勉強する等して、考えていきたいと思います。

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