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2014年10月13日 (月)

出羽の守のちゃぶ台返し

一昨日の社会政策学会の報告では、冒頭、私は出羽の守のちゃぶ台返しをします、と申し上げたのですが、非常に多くの方々が何のことかよくわからなかったとのことですので、

http://ryojikaneko.blog78.fc2.com/blog-entry-347.html秋の社会政策学会 初日

追記 そういえば、ちゃぶ台返しっていうけれども、難しくてちゃぶ台がどれか分からない、という話を今日のお昼にしてたな笑。

洒落の解説をするというのは大変無粋なことではありますが、伝わらなければ意味がありませんので、無粋を覚悟で:

今回の共通論題、「社会政策としての労働規制-ヨーロッパ労働社会との比較」というのは、タイトルからもうすうす窺われるように、ダメな日本を導くモデルとしてヨーロッパを描き出すという志向性が濃厚にあります。

http://jasps.org/wp/wp-content/uploads/2014/08/129program-final-140818.pdf

・・・こうしたヨーロッパの法規制・雇用動向をふまえて、日本の労働社会が目指すべき新しい労働規制のあり方について、その比較とのなかで課題を明らかにしていく。

そのために、EU総体を私、ドイツを田中洋子さん、デンマークを菅沼隆さんが報告するという役割分担ですが、いずれも日本と比較して、いかにヨーロッパが、EUが、ドイツが、デンマークがちゃんとしているか、それに引き替え日本は・・・、という志向性があらかじめ組み込まれているわけです。

こういう志向性のことを、昔から「出羽の守」といいます。「○○ではこうだぞ」てなことばっかり言ってる奴、というようなニュアンスで、「では」「では」というから「出羽の守」なんですね。

そう言われれば、私自身もいろんなところで「出羽の守」をやっています。最近も、労働時間改革の話では何かというとEU指令では時間外を含めた実労働時間が規制され、1日の休息時間も規制されているてなことばっかり言いつのっているわけで、典型的な出羽の守と言えましょう。

そうなんですが、しかしそれは政府の規制改革会議だの、経営団体だの、労働組合だの、マスコミだの、要するにそういう政治戦略的に出羽の守を演じることが重要であるようなシチュエーションにおいてはためらいなく出羽の守をやりますが、社会政策学会みたいなその道のプロの研究者が集まる場所にわざわざ出かけていって、そんな出羽の守をやってもつまらんじゃないの、というのが私の想いでありまして、だからわざとその期待を脱臼させるような中身にしようと思って、そのEUがなかなかつらい大変な状況にあるんですよ、ということを、これでもかこれでもかとてんこ盛りにする報告にしたわけです。

「EUではこんなすばらしい社会政策が・・・」みたいな出羽の守的報告を期待されている当の本人が、それをひっくり返すようなことをいうのですから、これこそ必殺技、出羽の守のちゃぶ台返し、と思ったわけですが、そもそも「ちゃぶ台って何?」という反応が結構あったりして、「ほら、巨人の星の星一徹がひっくり返しているあれですよ」という説明がなければなかなか伝わらないという状況を改めて確認した次第です。

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