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しかし、私はメンバーシップ型に賛成である

Chuko拙著『若者と労働』への書評が、大学のゼミの記録らしい「マルクスのブログ」にアップされているのですが、

http://ameblo.jp/marxmarx/entry-11935536915.html(若者と労働 宇佐美)

しかし、私はメンバーシップ型に賛成である。メンバーシップ型の良い点は「人間性を重視している」という点ではないかと私は考える。これは、杉山ゼミでもテーマとされていることである。大学教育で自立した人格を形成し、企業でそれを発揮することによって企業に大きく貢献することができるのではないだろうか。それに対し、ジョブ型のデメリットとして、必要とされる仕事ができる人であっても、その人が自立した人格をもっていなければ、不真面目に仕事をやる可能性がある。大学でいう他人のレポートをコピーするといったような行為である。このような人材を採用してしまう可能性があるため、ジョブ型に私は反対である。
 しかし、大学ではいまだに「知識を伝える」教育が行われている。これでは自立した人格を形成することができず、メンバーシップ型の利点を生かすことができない。メンバーシップ型労働社会を成功させるためには、まず人格形成を主体とした教育改革が必要であるのではないだろうか。

もちろん、ジョブ型、メンバーシップ型それぞれにメリットデメリットがあるので、賛成とか反対とかで議論を戦わすのはいいことなんですが、ちょっと誤解があるような。

これでは、ジョブ型というのは自立した人格が欠如した連中が横行し、インチキ行為ばっかりやってるような感じですが、いうまでもなく、包括的人間性が判断基準になるメンバーシップ型に比べても、ジョブ型の方が当該仕事をきちんとやれる能力に対する厳格さは強いのであって、どういうゼミかはわかりませんが誤解は解いておいた方がいいような。

ただ、もちろん学生を含む若者一般にとって、スキルがなくても(むしろその方が)採用してくれるメンバーシップ型の方がハッピーであり、卒業とともに失業者になるのがデフォルトのジョブ型社会がつらいものであるのはいうまでもないので、若者がジョブ型社会に反対すること自体は利害関係的には自然ではあります。

ちなみに、メンバーシップ型であるからこそ、ジョブじゃなくメンバーとなるべき組織が重要なので、

また、学生自身が「就活」そのものの構造を理解しないまま就活に臨むことも問題であると感じた。就活を迎える学生の多くは、どの企業に就職するのかに気をとられ、「就活」そのものの本質を見抜こうとしない。

いやですから、日本の「シューカツ」の本質はまさに仕事の中身なんかではなく「どの企業に就職するのか」が一大事なのですから、これは完全に理解が逆転していますね。

繰り返しますが、そういう「就職」じゃない「シューカツ」ゆえに日本の若者の雇用状況は(ドイツを除く)欧米社会に比べて良好なのですから、ジョブ型社会に反対することが悪いと言っているわけではありません。単なる言説一貫性の問題です。


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