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2014年10月20日 (月)

教育と雇用の相互排除意識

ありすさんが、

https://twitter.com/alicewonder113/status/523959146732081153

教育が不要って話にはならんだろうに。

と言われているのは、あの「あごら」に載ったこれに対するコメントのようですが、

http://agora-web.jp/archives/1617016.html (マララ氏はテロ支援者―教育先行はテロを生みだす)

勿論、私は教育の意義を否定するものではない。が、マララ氏が指摘するような教育が第一とか先であるべきな議論は間違っている。彼女の勇気とレトリックは賞賛すべきだが、その主張の中身は陳腐な教育万能論でしかない。

問題は、現地の経済や社会が必要とする以上の教育を行うことにあるのだ。まさしく、モハメド・アタは、エジプト社会が必要とする以上の教育を受けたことで、就職もできず、認知欲求に悩み、最終的には西側に復讐するテロリストになったのである。

であるのならば、マララ氏の言うような教育なぞは不必要である。

必要なのは雇用である。

具体的には、茶碗工場でも玩具工場でも何でも良いので、確実な消費が見込まれるが教育はほとんど不要な雇用を沢山用意してあげることである。もしくは現地人の起業家をたくさん育てることである。何故ならば、経済成長すればそれに見合った教育システムは勝手に市場の要請によって作られるし、そうすればテロリストにはならないからである。

マララ氏は、立派な人間である。尊うべき人間なのは間違いない。だが、彼女の「本とペンはテロ打ち負かす」という主張は大きな間違いであって、正しくは「本とペンはテロを生みだす」なのである。

だから私は敢えて言いたい。マララ氏はテロ支援者であり、教育先行はテロを生みだすのである。

いかにも「あごら」な人々が言いそうな表層的な議論ですが、とはいえ、おそらくネット上でこれを読んでケシカランと義憤を感じている人の多くの考えていることも、この文章と大して変わらないくらいポイントを外していると思われます。

もちろん、少し前に本ブログで取りあげた安倍首相のOECD閣僚理事会での発言に噛みついている人々のことです。

これらの人々の思考法の特徴は、どっちを祭り上げてどっちを貶しつけるかだけは正反対であるだけで、教育と雇用を正反対のベクトルのものと思い込んでいる点においては、全く同型的であるのです。

本ブログで何年間も山のように書いてきたことなので、今更感が尋常じゃありませんが、そもそも教育訓練というのは、人々がちゃんと立派に働いていけるようにそのための様々なスキルを身につけさせてあげることなのであって、働くためじゃないそれとは全く切り離された純粋な「教育」サマなどという贅沢物は、少なくとも国際社会で「教育こそが必要」と口が酸っぱくなるほど言われている時に想定されているものの中では一番最後の最後に出てくるか来ないかくらいのものでしょう。

逆に、仕事だって、教育の欠如した人々のその状態をいつまでも前提にしてそういう低レベルの仕事しかやらないままでは、先進諸国や中進諸国に引き離されるばかりで、それこそテロの元になるばかりでしょう。

教育は雇用の前提であり、雇用は教育の目的です。両者は本来密接な関係にあり、一体的に論じられるべきものですらあります。

要するに、この日本でもっともらしい議論をする連中の多くが、教育と雇用を正反対のベクトルのものと思い込んで、ひたすらどちらかを祭り上げてもう一方を貶しつけるという下らない言動を繰り返している点にこそ、最大の問題点があるわけなのですね。

こういうのを見ると、安倍首相がOECD閣僚理事会で語ったこの言葉がまともすぎて、涙が出るくらいです。

http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/0506kichokoen.html

だからこそ、私は、教育改革を進めています。学術研究を深めるのではなく、もっと社会のニーズを見据えた、もっと実践的な、職業教育を行う。そうした新たな枠組みを、高等教育に取り込みたいと考えています。

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