フォト
2020年4月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
無料ブログはココログ

« 『ミッキーマウスのストライキ!』 | トップページ | 本田由紀『もじれる社会』 »

2014年10月 8日 (水)

メンバーシップ型社会では数合わせがやりやすい

引き続き日経の5面あたりで地味に話題を続けている女性活躍法案ですが、

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS07H2C_X01C14A0EE8000/?n_cid=TPRN0006女性法案、あいまい決着 数値目標は企業まかせ

厚生労働省の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)は7日、政府が臨時国会に提出予定の女性活躍法案の要綱を承認した。従業員301人以上の大企業に独自の女性登用の数値目標を公表するよう義務付ける。

 法案は2016年度から10年間、数値目標を含む行動計画の公表を大企業に義務付ける。ただどんな項目について数値目標を定めるかが完全に企業まかせになっている。数字さえ入れば、従業員の意識調査といった目標であっても「法律上は問題ない」(雇用均等政策課)。法律に実効性が伴うかどうかは不透明だ。

 法案を巡っては、労使の代表が参加する労政審の報告をくつがえす異例の展開となった。経営側委員が数値目標の義務付けに「数合わせの人事になる」と強く反発したため、報告書段階では数値目標について「望ましい」との表記にとどまっていた。

 これは「普通は法案に落とし込むと義務化につながらない表現」(厚労省幹部)だったが、首相官邸との調整を経て一転して義務付けになった。

ここらで少し、本質的なことも言っておきましょうか。

そもそも欧米で一般的なジョブ型社会では、募集採用も昇進も同じことであり、あるジョブディスクリプションのポストが空席になったときに、それに応募してきた男女から適格な人を選び出すということですから、そのジョブディスクリプションに適合しているにもかかわらず差別的に排除したりすることが差別なのであって、それが出発点です。

次に、応募者の複数名がいずれも当該ジョブに相応しいときに、アンダーリプリゼンテッドな性(普通は女性)を優先的にそのポストにつけようというのが、ポジティブアクションとかアファーマティブアクションとか言われるものですね。欧米の裁判例なんか見るとよく出てきます。

どっちも昇進する資格があるけれども、オレの方が優秀なのに何であの女を昇進させるんだ、みたいな話ですね。

で、数値目標というのも、このジョブ型ルールを大前提にした上のことであって、ある病院で医者が男性ばかりだから看護師から女性を昇進させて数合わせしようなんてことはあり得ないわけです。

そういうジョブセグレゲーションを解消するためには、まずは女子が医学部にどんどん進学して資格のある女性をたくさん作らないといけない。日本も医療界はジョブ型ですからそういうことになります。

ところが、そういうジョブ型ルールで動いていない社会では、話がまったく違う様相を呈します。

そもそも同じ職業資格を持っているのに差別される云々というところがそんなもので採用しているわけじゃないので、はなはだ一般的な人間力になってしまい、差別を差別と立証しにくいという面が間違いなくあります。

その一方で、とにかく数合わせさえすればいいという無茶な要求でも、そもそもそのジョブに相応しいとか何とかいう基準で採用したり昇進させたりしてきていないので、何でもありでやれてしまう面があります。

実際には暗黙のルールとして年次昇進があり、いやいやまだまだ女性が育っていませんので・・・というのが言い訳になっていたわけですが、そもそも論としてはそれでなければならない絶対的な理由はない。ジョブ型社会で当該ジョブに応募できるだけの資格がないというのとは話が違います。

それに、ジョブ型にするという意図もないまま、年功制解消とかもてはやしている人や新聞もあることだし、そういう流行に素直に乗ってしまうと、女性活躍のためという大義名分で数合わせがやりやすいのです。

そう、かつては何回当選で大臣というそれなりにルールがあった閣僚ポストも、いまや何でもありでしょう。そこに女性登用という至上命題が来ると・・・。

ジョブディスクリプションなきメンバーシップ型社会は、ジョブ型からすれば不当な差別を差別と言いにくい社会であると同時に、ジョブ型からすれば信じられないような数合わせだってやれちゃう社会でもあるのです。

その辺のリスクをわかっているのかな・・・と。

« 『ミッキーマウスのストライキ!』 | トップページ | 本田由紀『もじれる社会』 »

コメント

>そう、かつては何回当選で大臣というそれなりにルールがあった閣僚ポストも、いまや何でもありでしょう。

いやいや、茶々入れで恐縮ですが、小渕新大臣はおろか、安倍総理に典型的に示されているように、まだまだ「血統」はものを言いまする。

(関係ない話ですが、hamachan先生は「至上命題」の使用に、あいかわらず抵抗ないのですね。。。)

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: メンバーシップ型社会では数合わせがやりやすい:

« 『ミッキーマウスのストライキ!』 | トップページ | 本田由紀『もじれる社会』 »