非大学型高等教育(再掲)
週末に荒れ狂った(らしい)L型大学騒ぎですが、昨日紹介しておいたドイツの専門大学に限らず、こうした職業専門高等教育機関への注目は現代先進世界共通のトピックなので、参考になる本を紹介しておきます。既に本ブログで頂いたときに紹介してあるのでその再掲ですが。
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-37fe.html(非大学型高等教育)
拙監訳『世界の若者と雇用』の完成本と一緒に、最近明石書店から出た『世界の教育改革4 OECD教育政策分析』も送られてきました。
http://www.akashi.co.jp/book/b95008.html
これ、非大学型高等教育、教育とICT、学校教育と生涯学習、租税政策と生涯学習、といった雑多なテーマが含まれていますが、このうち、第1章の「非大学型高等教育」は、アカデミックな大学イメージだけで高等教育を語りがちな知識人の偏見を破る意味で、広く読まれるべきと思います。
>今後の大学は高等教育を提供する唯一の機関としての独占的な役割を担うことはない。多くの国では、高等教育レベルの学生の3分の1以上は大学以外の高等教育機関に在籍している。またいくつかの国においてはそれは半数以上になっている。・・・
p32-33の表1.1を見ると、たとえばオランダでは高等教育全体の入学者のうち高等専門学校が62%、フィンランドではポリテクニクが42%といった状況です。
この表では、日本の高等教育入学者のうちご立派なはずの大学が75%を占め、短大が8%、高等専門学校がわずか1%、専修学校が16%となっています。それだけ。
ほほお、日本国の文部科学省がOECDに示している資料では、(まさしく高校卒業後の職業教育訓練を担当する)職業訓練(短期)大学校は、高等教育機関とは見なされていないようですね。変なのもある専修学校は高等教育なのに。まあ、学校教育法に書いてあるかどうかが境目なのでしょうけど。
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