島田英昭さんの拙著書評
島田英昭さんがfacebook上で、拙著『若者と労働』に対する的確な書評を書かれています。
https://www.facebook.com/shimadahideaki/posts/715855271827433
若者と労働―「入社」の仕組みから解きほぐす、浜口桂一郎、中公新書ラクレ、を読む。
転勤あり、職種変更あり、終身雇用であるメンバーシップ型、明確な仕事に応じて募集されるジョブ型の2つの雇用形態について、日本の戦後の歴史的な背景を含めて知ることができる。そこから、若年、中高年の仕事の問題を考えていて、深く理解できた。新書にしては骨があるが、すごくわかりやすいので、このあたりをざっと知りたい方にはとてもお勧め。
メンバーシップ型がうまくいかなくなってきたこと、グローバル化の影響、などにより、今後は制度的にも実態的にもジョブ型に移行するだろう。そうすると、相対的に仕事ができない若者が不利になるので、ここの支援が必要とのこと。いくつかのヨーロッパの国の若者雇用と同じ問題が起こる。問題解決のためには、大学がジョブ型雇用に耐えうる人材養成をしないとまずい、という話が印象的。確かにそうだと思う。
現在の大学改革もこの流れだと考えると、理解できる。では、教養的、学問的なものをどう守るか。守る必要がないと言われてしまうと困ってしまうのだけど、生涯学習、成人学習に移行していくのだろうと思う。大学はいつでも好きなときに、キャリアの中で利用される存在になる。
ということで、日本の雇用問題をざっと知りたい人にお勧めです!
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