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« 日本の雇用制度の迷走は、我が事のように読むことができました | トップページ | ワンポイントメモへの注釈 »

2014年9月 2日 (火)

『月刊連合』9月号は「家事労働と女性の活躍」

201409cover『月刊連合』9月号は「家事労働と女性の活躍」が特集です。

http://www.jtuc-rengo.or.jp/shuppan/teiki/gekkanrengo/backnumber/new.html

女性が輝く社会へ

眠れる「潜在力」の活用を!

■アベノミクスで女性は輝けるの?

竹信三恵子 和光大学現代人間学部教授、ジャーナリスト

■男性が家事労働に参画できないワケ

多賀 太 関西大学文学部教授

■アメリカで女性の活躍を支えるのは?

治部れんげ 昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員、ジャーナリスト

■実践! 家事シェア

三木智有 NPO法人 tadaima! 代表理事

■連合がめざす「女性の活躍」とは?

南部美智代 連合副事務局長

となれば竹信さんが出てくるわけですが、その最後のパラグラフで、

さて、どうすれば家事労働を考慮した労働時間設計ができるのか。

と問うて、

・・・そのためにまず「標準労働者像」の転換を図って欲しい。家事・育児は妻に任せ、残業も転勤も厭わない正社員から、仕事も家事労働も担っていける労働者をスタンダードに置いて、その視点で労働条件や労働環境の改善を考えていくと、今までとは違った世界が見えてくるはずだ。

と述べています。まったくその通り。でもね、

それなら、「解雇しやすい限定正社員はんたーい」とか「ジョブ型正社員ハンターイ」とか、今までの正社員像をひたすら正当化するような言い方はやめた方がいいと思います。

少なくとも、ここで竹信さんが言うように、そういう無制約の人事権と手厚い雇用保障の交換としての無限定正社員像こそが「標準労働者像」であり、それがゆえにパート法8条1項の「通常の労働者」像でもある以上、そういう言い方をし続けている限り、「家事労働を考慮した労働時間設計」は逃げ水のように遠くに去って行きますよ。

あと、先日の労働時間シンポジウムの記録も載ってます。

連合 緊急シンポジウム

「労働時間規制のあり方を考える」

[パネリスト]
圷 由美子 弁護士
安藤至大 日本大学准教授
川口美貴 関西大学法科大学院教授
吉田真之 自動車総連労働法制局長
才木誠吾 情報労連政策局長
[モデレーター]
新谷信幸 連合総合労働局長

この中で引用する値打ちがあるのは、経済学者たる安藤至大さんのこの言葉でしょう。

「労働条件の決定」は原則として労使の自治に任せるべきだ。しかし、労働時間の現行規制は、事実として健康被害をもたらすような長時間労働を抑止できていない。政府が直接規制をする必要があるだろう。

労働時間規制は経済学の視点からも正当化できる。第一義的には健康被害の抑止だが、少子高齢社会を迎え、労働力人口が減少していく中で、多大な時間やお金をつぎ込んで育て上げた貴重な働き手を長時間労働による健康被害で失うのは、余りに非効率だ。

100%同意。

なんか今日聞いたんだけど、一部で「hamachanは経済学者が嫌いだ」とか言う噂が広まっているらしいけど、全くの誤解というか悪意ある中傷です。この安藤至大さんとか神林龍さんとか、下手な法律学者の百万倍尊敬している経済学者は何人も居ます。馬鹿なくせに、知らんことをどや顔で偉そうに説教したがる馬鹿な経済学者が嫌いなだけで、それはどの分野であっても同じです。


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コメント

女性の活躍こそ成長戦略の最重要課題である。

日本の労働力人口は減り続けている。労働力人口が減少すれば、国内の総生産(GDP)の成長は抑えられ、日本の国内総生産は減少する。

成長戦略において女性の労働力活用も議論されているが、産業競争力強化の文脈においての議論である。産業競争力を強化し、生産性を上げ、海外に進出して日本企業の活躍の場を広げる・・・結構な話である。特に東南アジアやインドなど、経済成長が見込める国々に進出し、日本企業の地歩を固めていくことは重要である。

しかし、日本企業が海外に進出して収益を上げたからといって、国内総生産が増加するとは限らない。むしろ、企業が海外に出ていくことによって国内の雇用が減る恐れさえある。企業が海外で得る収益を得ても、幅広い国民がその恩恵を受けるわけでもない。企業が海外で稼いだ収益は、国内の税収増加につながるわけでもない。

一方、海外からの日本国内への投資はほとんどない。対外投資(日本の海投資)と対内投資(海外の日本投資)の差がこれだけ極端な国は世界中どこにもない。

日本企業が海外で収益を上げたとしても、GDPの成長がなければ海外からの投資は期待できない。海外の投資家は経済成長が見込める国に投資をするのだ。

GDPの成長がなければ、雇用者の所得も増えない。アベノミクスによる脱デフレ政策は成功しつつあるが、必ずしも雇用者の実質所得の増加に繋がっていない。安倍首相自らが経済界に賃上げを働きかけるというのもおかしな話である。

労働人口が減る中で、いかに国内の経済規模を拡大していくのかが問われている。女性の労働力活用こそ、成長戦略である。

女性の家事労働は貨幣的な価値に換算するとゼロであり、家事労働を市場化することで貨幣的な価値に換算される。例えば、女性が家事労働で行ってきた保育を、保育園で行うことで、家事労働は貨幣的な価値に換算される。

家事労働が貨幣的な価値に換算されることによって、家計の所得は増える。家計の所得が増えることによって、家計は様々なサービスを購入できるようになる。家事労働が貨幣的な価値に換算されることで、家事労働は市場で様々なサービスと交換できるようになる。

かくして、医療、介護、保育、教育、観光、等々サービス産業において新たなサービスが創出され、家計はこれらのサービスを購入できるようになる。家事労働を市場化することで、国内の経済規模の成長が期待できるはずである。

女性の労働あるいは労働時間の規制緩和が、産業競争力会議の雇用・人材文科会で議論されるのもおかしな話である。ホワイトカラーエクゼンプションあるいは成果による報酬などが規制緩和の議題であるという。経営側の関心は、労働コストの抑制および労働生産性の向上による産業競争力の強化にある。

しかし、成長戦略において女性の労働力の活用について議論する場合、産業競争力からの視点と雇用者からの視点では、導かれる結論は真逆になる可能性がある。

雇用者からの視点では、家計の所得を増やし、労働時間を抑制することによって生活を豊かにし、市場におけるサービスの交換を活性化すことによって経済成長を図ろうというものである。

産業競争力からの視点では、労働生産性(一人あたりの生産量)の向上を図ろうとするため労働時間がさらに長くなる恐れがあり、成果主義によって(大多数の優秀ではない一般社員の)賃金が抑制される恐れがある。

一方、雇用者からの視点では、女性の労働力を活用することによって世帯あたりの可処分所得を増やし、男女にかかわらず長時間労働を排除することによって女性が働きやすい環境を整えると共に、生活の時間を増やすことにより消費の活性化を図ろうとするものである。

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