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2014年9月26日 (金)

中澤誠・皆川剛『検証  ワタミ過労自殺』

0259430

中澤誠・皆川剛『検証  ワタミ過労自殺』(岩波書店)をお送りいただきました。ありがとうございます。

http://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?head=y&isbn=ISBN4-00-025943

「体が痛いです.体が辛いです」.二〇〇八年,外食産業ワタミに入社して二カ月,二六歳の女性が悲痛な叫びを書き残して命を絶った.死後,両親の調査などにより,不正で過酷な勤務実態が明らかになる.早朝にまで及ぶ長時間労働,休日のレポート作成や早朝研修…….ワタミ内部の問題にも迫り,事件とその後の動きを検証する.

今やブラック企業の代名詞ともなったワタミの過労自殺事件を丁寧に追いかけたすぐれたルポですが、それとともに、労働問題には無知で、最初には弁護士に「サブロクって何ですか?」と尋ねるような状態から出発した新聞記者たちが、現代日本の労働時間法制の問題点を見事にえぐり出すような文章を綴るまでに至った成長のあとの記録でもあります。

目次とプロローグが「立ち読み」可能になっているので、ぜひ目を通していただければと思いますが、

http://www.iwanami.co.jp/.PDFS/02/1/0259430.pdf

読みでのあるところはそのもっと先ですので、ぜひ本屋さんでほんとに立ち読みして確認してください。

(追記)

というだけで終わると、言うことあるだろ、という声がかかりそうなので一言だけ。

彼女の死を無駄にしてはいけないと言いつつ、だから残業代ゼロケシカラン、という話に終わってしまうというのが、一番彼女の死を無駄にしてしまうたぐいの議論なんですよ。

天守閣が大事か、櫓が大事か。

何のことかわからない人は、数日後に出る予定の『POSSE』の渡辺輝人さんとの対談をどうぞ。

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