海老原さん自身による要約版
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-4e5a.html(海老原嗣生『いっしょうけんめい「働かない」社会をつくる』)
の、海老原さん自身による要約版がしのどすに掲載されています。
http://synodos.jp/economy/10616(経営が隠しているエグゼンプション導入の本音)
・・・企業「成果論争」の大騒ぎを隠れ蓑にして、いつの間にか、管理職を日本型雇用の不都合さから外すことに成功したのだ。
ただし、それはキャリアや家庭生活などを含めたトータルな脱日本型ではなく、給与構造のみの変革にとどまる。だから、日本型の労働環境は何も変わらず、いまだに日本の管理職は配転を余儀なくされ、過去にも増して、長時間労働にいそしむ。もちろん、企業側はそのトレードオフとして、整理解雇も能力解雇もままならない。高年収の成熟社員である管理職でさえ、そんな、なれ合いの非自律的労働を続けているのだ。
そう、全体設計を考えず、対症療法を続けてきた様がよくわかるだろう。
もう、こんな、経営都合の対象療法を続けてはいけない。エグゼンプションを残業論議にとどめず、日本型雇用変革の一大エポックに育てるべきなのだ。しっかり休み、むやみに想定外の指令は出されず、意に沿わない異動もなくなる。その分、定期昇給も残業代もなくなる。このトレードオフが成り立つ「欧米型就労」へ、一皮むける方向に、エグゼンプション論議が熟すのを心待ちにする。
ちなみに、昨晩はHRmicsレビューで、
海老原さんの講演は前半がほぼ本書の内容でした。
私は、海老原さんが軽妙洒脱に喋った後で、それを法だの政策だのとこねくり回すつまらぬ議論をする役回りでしたが、聴衆の皆さんはそれなりに面白く聞いていただけたようです、
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