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2014年9月 4日 (木)

乱読大魔王日記さんの拙著書評

41mvhocvl拙著『日本の雇用と中高年』に対する書評です。「乱読大魔王日記」さんというすごい名前ですが、とても丁寧に真摯に読んでいただいています。

http://we23randoku.blog.fc2.com/blog-entry-5087.html

女性の目から見ると

さいごのほうに、わずかばかり「中高年女性の居場所」という小見出しがたてられている。この小見出し部分に女性の話は尽きていて、この本でずーっと出てくる「若者と中高年」というのは、基本的に若いあんちゃんたちとおっさんたちの話なんやなーと思う。

と映るわけですが、いやそれは日本型雇用システムそのものがそういうまなざしでできているからで。

「中高年女性の居場所」で述べられている、「女性正社員は会社にとってどんな存在だったか」のところを読んで、母たちの世代で裁判を起こした人などはこういう女性観と闘ってきたのやなーと思った。とくに、女子の結婚退職制などを正当化してきた企業の主張が、あらためて読むとスゴイ。そこのところを、著者がコンパクトにまとめている。

▼…男女差別的労務管理を疑うことなき前提とし、にもかかわらず「男女同一賃金の原則に徹し」!「成績査定により生ずる差を除けば、年齢を問わず男女同一の賃金を支給してきた」ために、長期金属の女子職員の方が男子職員よりも高給となってしまうという「不合理」が生じてしまうことのないよう、結婚退職制を導入したというわけです。男女差別的労務管理と男女同一年功同一賃金を組み合わせると、こういう論理的帰結に至るという典型例とも言えます。(pp.217-218)

この節が短すぎるのは確かですが、それは日本型雇用システム自体が中高年女性に正社員としての居場所を与えないような仕組みであったからで、そこに着目して一冊の本を書くのであれば、また違った光景が浮かび上がってくることになるでしょう。

そして、中高年女性は、この本を読んでいても、どこか「飛び地」感があって、「ジョブ型」になったとして、どうかなーと考えた。とりあえず、この著者の本はもう一冊くらい読んでみたい。

はい、是非読んでください。

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