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2014年9月 7日 (日)

『DIO』296号

Dio連合総研の『DIO』296号は、「春闘〜過去・現在・未来」が特集です。

http://rengo-soken.or.jp/dio/pdf/dio296.pdf

春闘の歴史と社会経済的課題 高木 郁朗 ………………4

賃上げをどうすすめるか 脇田 成 ……………………8

韓国人研究者から見た春闘−春闘は韓国型賃金決定制度になるのか 李 旼珍 …………………12

国民・市民目線から見た春闘 ~開かれた春闘へ~ 篠田 徹 …………………16

高木さんの概観論文は歴史を知らない労組の人たちにも役に立つでしょうし、脇田さんの論文は本ブログでも何回も取り上げてきた話ですが、今日の理論武装としてとても重要です。

視点としてなかなか面白かったのは李旼珍さんの論文で、

韓国と日本の主な交渉制度は企業別交渉制度であるが、日本における賃金決定は、韓国とは違って、企業別賃金交渉を越えて産業間、企業間で調整されることを明らかにした

著者が、近年のその調整機能の低下を分析して、

 前述した比較書は、「春闘の調整機能の弱化が続けば、日本の賃金交渉は韓国のような『調整されない企業別交渉』に変わるだろう。そうなると企業規模間賃金格差が拡大し、格差社会の問題はより深刻になるだろう」と付け加えている。調整の努力を続けるのか、それとも調整をやめるのか、どっちを選択するのかは、日本の労働組合が決めることであるが、調整の弱化が何をもたらすのかは上で検討してきた。日本の労働組合には調整の努力を続けてほしいと願うばかりである。

と、日本の韓国化(!?)を危惧しています。

あと、巻頭言で龍井副所長が、

・・・筆者自身はこの9月で「退役」の身となるが、連合総研の「中長期ビジョン」が、力と意志の凝縮として練り上げられることを期待したい。

と書かれていて、また一人労働界から名物が去っていくな・・・と。

本ブログで龍井さんが最初に登場したのは、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_f774.html (僕も非正規社員スタート)

読売の記事ですが、

http://job.yomiuri.co.jp/interview/jo_in_07101901.cfm

Jo_in_07101901

>龍井 葉二(たつい・ようじ)さん

連合の非正規労働センター総合局長に就任
>「非正規社員というだけで低い労働条件に置かれる労働者がいるのに、黙って見ていていいのか。とりあえず一緒に声をあげていこう。それがセンターの役目です」

 連合は先ごろ開いた大会で、非正規社員の労働条件向上を第一に取り組むことを決めた。結成20年目を前にした大転換で、その象徴と目される部署の初代責任者に座った。

 企業の業績こそ好転したものの、年収200万円以下の人が増え続けている。国税庁の調査では昨年、とうとう1000万人を超えた。パート、派遣労働者が急増したためとみられる。今や3人に1人が非正規社員の時代になった。

 ところが、連合傘下の労働組合はこれまで、同じ職場に非正規社員がいても「知らん顔」だった。正社員の権利確保を優先してきたからだ。

 そんな連合が、どこまで本気で突き進めるのか。

 「大言壮語はせず、身近の非正規社員と手をつなぐことから始めたい。そこで足元を固めたら、パソコンや携帯のネットを活用して連帯の輪を広げていきたいですね」

 団塊最後の世代で、学生運動が過ぎて最初に入った大学は中退。別の大学へ入り直し、大学院に進む予定が単位不足で留年した。組合ニュースを各加盟労組に配信する旧総評の“子会社”に職を得たのは30歳手前になってから。

 「僕も非正規社員から社会人をスタートさせた。奇縁でしょ」。ふっと笑った。

私より年長の組合の人って、わりと人生いろいろという感じの人が多い気がします。いい意味で人間の幅があるって言うか。時代の激動の中を生きてきましたという感じで。

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