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« 社会政策学会第129回(2014年秋季)大会プログラム | トップページ | 「労働安全衛生法政策の現在」 @『損保労連GENKI』8月号 »

2014年9月 1日 (月)

僕も創業間もないころは年間4500時間働いていたが@すき家

すき家ゼンショーの小川社長の「独白」というインタビュー記事が日経ビジネスオンラインに載っていますが、

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20140829/270555/

・・・すき家を「蟹工船」とか言っているメディアもあるが、無理にこき使っているわけではない。

まさにそうだと思います。すき家を蟹工船とか言うのはわかってない証拠。蟹工船は悪辣な資本の論理だけど、すき家はそうじゃないからこそ恐ろしい。

我々が掲げる「この地上から飢餓と貧困をなくしていく」という理念は、単なるお題目ではない。・・・

ES(従業員満足)という切り口で見ると、そういう事業をやっているんだというのが働く人の生きがいになっている。誤解を恐れずに言えば、だからハードワークでもやってこられたし、やってきた、僕をはじめとして。

・・・我々は母子家庭の援助などもしているが、彼らと話していると子供に牛丼を食べさせられないという。

 日本国民の年収を見ていると、低所得者が増えている。そういう方々も含めて国民食として気楽に高い肉を食べてもらいたい。・・・

これは、悪辣な資本家の口先のごまかしと思ってはいけない。小川社長は本気なのだ。だからできるのだ。

僕も創業間もないころは年間4500時間働いていたが、直近の6年間で労働時間を3000時間ぐらいまで減らしてきた。・・・

かくも気高い信念に燃えて「牛丼福祉」を全国津々浦々にまで均霑していこうという社会運動であればこそ、「年間4500時間働」けるのだし、思いを同じくする同志たちにも、同じ理念への献身を求めることになるのは不思議ではありません。

しかし、そういう「同志」たちは、もはやいかなる意味でも労務の提供と報酬を労働市場で交換する雇用契約という債権関係にあるものとは認識されなくなってしまいます。

かつて本ブログで紹介した日経ビジネスの記事もそうですが、小川社長は常に正直に語っていると思います。それをどう受け止めるかが問われているのでしょう。

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コメント

ここまで来ると、完全に「宗教」ですね。

ていうか、この社長さんは自分の会社を「宗教法人」として登録した上で、従業員を「僧侶」業務内容を「修業、あるいは作務」こう位置付けた方がいいでしょう。

こうすれば、「業務」ではなく「修業」なのだから報酬を支払う必要はないし、長時間働かせても良い。こういう論理が成立するわけですし。

ていうか、宗教団体でもない民間企業で、こういうことをするから、「ブラック企業」として認知されるのだということを、この社長さんが認識していないことが、怖いことなのでしょうが。

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