公教育における集団的労使関係欠如の一帰結?
これ自体は、もちろん異常な行動としかいいようがありませんが、
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140819/crm14081914040012-n1.htm(「土曜授業やめないと庁舎ごと吹き飛ばす」 教諭が市教委を脅迫、逮捕 千葉・野田)
土曜授業をやめさせようと、千葉県野田市教育委員会に「庁舎を吹き飛ばす」などと書いた脅迫状を送ったとして、県警野田署は19日、脅迫の疑いで同市立七光台小学校教諭の薮崎正己容疑者(49)=同市春日町=を逮捕した。容疑を認めているという。
逮捕容疑は7月12~14日、同市教委に「野田の教職員のために、お前らのような悪い連中を市の庁舎ごと吹き飛ばしてやる。準備はできている」という内容の匿名の脅迫状を送ったとしている。
同署によると、脅迫状は6~7月に5、6通送っていたとみられ、「土曜日まで働かされて疲れがとれない」「日曜日に寝こんでしまう」などとも書かれていたという。薮崎容疑者の自宅から爆発物は見つからなかった。
同市の公立小中学校では今年度に土曜日授業を導入した。薮崎容疑者は同小で教務主任を務めていたという。市教委は「子供を教える立場でありながら非常に残念」としている。
とはいえ、長時間労働による疲弊の不平不満を、庁舎爆破予告という個人テロまがいの行為でしか表出できなかった公教育部門における集団的労使関係の欠如ぶりには、頭を抱えたくなります。
長時間労働に対する不平不満を、現場から集団的な枠組を通じて集約して何らかの対応をするという回路がまったく働いていなかったということなわけですから。
もちろん、ここには山のように積もり積もったねじれにねじれきった諸問題がこんがらがっているわけですが。
戦前以来の、そして右翼も左翼も共有してしまっている「教師は聖職」だから労働条件如きでぐたぐた文句を言うな感覚。
日教組自身がニッキョーソは政治団体という右翼側の思い込みに乗っかって政治イデオロギーの対決ばかりに熱中してきた歴史。
そういう空中戦ばかりの教育界で、全てのツケを回す対象とされてきた国法が認めてくれている残業代ゼロ制度。
そして何よりかにより、他の全ての国における「教師=教育というジョブを遂行する専門職」が共有されず、学齢期の子供(ときどきガキども)の世話を(学校内外を問わず、いつでもどこでも何でも)全て面倒見るのが仕事という、典型的にメンバーシップ型の教師像。
の中で、こういう妄想型の噴出が含意している諸問題に、少しは思いをいたしても良いのではないでしょうか。どちらの皆様方も。
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コメント
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そうなると教師は「教育専門職」であると主張している全日教連 http://www.ntfj.net/j3/about/about01.php が、最も的確に教師像を定義しているって皮肉な話になりますよね。全日教連の主張もアレ過ぎるばかりか、日教組に負けず劣らず政治的なとこが濃かったりしますが・・・・・
投稿: 杉山真大 | 2014年8月21日 (木) 10時20分