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2014年8月 6日 (水)

西村純『スウェーデンの賃金決定システム』

165217西村純さんの『スウェーデンの賃金決定システム』(ミネルヴァ書房)がようやく刊行されました。

http://www.minervashobo.co.jp/book/b165217.html

中央集権的であったスウェーデンの労使関係が、分権化しているといわれている。そうした状況の下で、スウェーデンの賃金決定システムには、いかなる変化が生じているのか。それとも、実はその要所において、大きな変化は生じていないのか。本書は現地調査をもとに、まず賃金決定システムの実態および変化の有無を捉える。その上で、システム形成の動力やスウェーデン労使関係の知られざる特徴を描き出すことを試みる

西村さんは今年5月に『スウェーデンの労使関係―協約分析を中心に』という報告書をJILPTから出したばかりですが、本書はそれよりも前に、西村さんが同志社大学の大学院で研究されていた頃に何回も現地に行ってまとめた博士論文を本にしたものです。

一部は紀要などに載っているので読まれた方もいるでしょうけど、全体まとめた形では世に出るのは初めてだと思います。

はしがき
第1章 スウェーデンの労使関係研究の問題点
第2章 労使関係の概観
第3章 中央体制下におけるスウェーデンの労使関係
    ——本当に集権的であったのか?
第4章 出来高給と賃金ドリフト
    ——中央体制下の労使関係が抱えていた問題
第5章 調整活動に関する一考察
    ——賃金交渉を通じて
第6章 現在の賃金決定システム
    ——産業レベルから企業レベルまで
第7章 賃金制度の個別化と企業内労使関係
    ——ボルボの事例を通じて
第8章 もう一つの企業レベルにおける賃金交渉
    ——オートリペアセクターの労使関係を通じて
終 章 スウェーデンの労使関係
    ——労使関係論的視点を通じて

本書、というか西村さんの研究のインパクトのあるところは、とりわけ序章で批判されているこれまでのスウェーデン研究が、コーポラティズムや福祉国家という視点からマクロレベルばかりに関心が向けられ、現場の労使関係がどうなっているのか、とりわけ一番大事な賃金はどこでだれがどうやって決めているのか、という重要な問題がスルーされていたのを、労使関係論の基本に立ち返ってとにかく事実をきちんと調べて明らかにした、というところでしょう。

上記西村報告書は:

http://www.jil.go.jp/institute/reports/2014/0165.htm

で全文読めます。

なお、スウェーデンといえば、本ブログでだいぶ前に、こんなエントリを書いたこともありました。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-ed81.html(スウェーデンモデルの実相)


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