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「結論がそれかよ」感はあるのですが、とにかく勉強になります

41mvhocvlAmazonカスタマーレビューに、「ib_pata」さんによる書評が載っています。

http://www.amazon.co.jp/review/R1SCFKJ0VPDY8Q/ref=cm_cr_dp_title?ie=UTF8&ASIN=4480067736&channel=detail-glance&nodeID=465392&store=books

最近の「若者論」で、中高年が既得権にしがみついていい目をしているから、若者はその割を食っているという俗論に対して、日本では一貫して中高年失業が大きな問題となってきた、ということを戦後日本労務管理史、労働法制史の研究成果や判例なども豊富に引用しながら説明し、こうした問題を解決するために中高年期からジョブ型正社員のトラックに移行させようという提案しています。驚いたのは、60年代までは終身雇用制を特徴とするメンバーシップ型の日本型雇用制度を、ジョブ型に変えようという提言が行われていたこと。石油危機などの際には、重厚長大型産業の構造変化のために、雇用維持を目的とした社員の配置転換や出向なども認められるようになってきたんですが、そうした制度が、バブル崩壊時には配転や出向が特定社員を会社から排出するための手段として用いられた、というあたりは唸りました(p.114-)。

 ホワイトカラーの生産性が給与の上昇ほどには上がっていないというこに経営者がうすうす感じていたから、給与が年功序列で自動的に上がっていく「まず中高年から狙い撃ち」という解雇方針が効率いい、というあたりで引用されるのが『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』城繁幸。富士通の場合、ターゲットはバブル入社組。普通に残業していれば課長以上の月給を稼がれてしまうのを防ぐために、成果主義を導入し、目標管理で縛って、成果を上げない人間の給料を上げないという方向を目指していました(p.179-)。欧米では中高年向けに早めのリタイヤを優遇する政策がとられましたが、これが財政破綻を招く最悪の結果となり、今では「長く生き、長く働く」ことが合い言葉になっています。それにしても、個人が高齢化社会に立ち向かうには、明るく朗らかに「長く生き、長く働く」ことしかないのかも。そして、個人ができる貢献として、心身共に健康を維持するということは社会保険の支出を減らし、働くことで社会保障制度や税収を維持するという意味でも積極的な意味を持っていたりして…なんて思いました。

で、結論はタイトルにあるように「「結論がそれかよ」感はあるのですが、とにかく勉強になります」ということのようです。

いやまあ、結論はそれかよ、といわれましても、誰かさんみたいに空理空論の結論を売り歩くわけにも行きませんので。


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