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2014年8月29日 (金)

何でもパワハラと言えばいいわけじゃない

確かに、これまでの法体系ではなかなかどれにもぴたりと当てはまりそうもないある何かに「パワハラ」と名付けて、批判する根拠にしていくということそれ自体は、当然の戦略だと思うし、全然悪いとは思いませんが、それにしても、

http://withnews.jp/article/f0140828001qq000000000000000G0010401qq000010751A(たかの友梨氏がパワハラ?「あなた会社つぶすの」 録音データ公開)

エステサロン大手「たかの友梨ビューティクリニック」を経営する「不二ビューティ」(本社・東京都)の女性従業員が加入するブラック企業対策ユニオンは28日、同社の高野友梨社長(66)から、組合活動をしていることを理由にパワーハラスメントを受けたとして、宮城県労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てた。記者会見も開き、「パワハラ時の録音」とされる音声記録を公開した。

・・・未払いが問題になった残業代については「残業代といって改めて払わないけれども、頑張れば頑張った分というのがあるじゃん。そうやって払っている」と、支払いが適正ではない可能性を認めた。弁護団によると、月間77時間の残業に対して12万円が支払われるべきところ、3万5千円ほどしか支払われないケースがあり、こうした事例が横行している可能性があるという。

 また、女性従業員が労働環境の改善を訴えてることについては「つぶれるよ、うち。それで困らない?この状況でこんだけ働けているのに、そういうふうにみんなに暴き出したりなんかして、あなた会社潰してもいいの」と迫った。

 さらに、残業や休日労働をさせる場合には、労使で書面による協定を事前に結ぶ必要があると定めた36協定(労働基準法第36条)については「みんな各店うやむや」「うかつだった。知らないもん」などと述べた。「法律どおりにやったらサービス業は上昇しない」とも話した。

これって、端的に、労働基準法をわかっていて平気で違反して、不当労働行為をしているということなんであって労働法の基本中の基本なんであって、なんでわざわざこれに「パワハラ」なんていう最近ぽっと出の言葉を使わなくちゃいけないのか、さっぱりわからない・・・、

というか、実はわかるので、要するにそれほど、「パワハラ」といえば何か悪いことだな、と世間もマスコミも感じるけど、労働基準法違反だとか、ましてや不当労働行為だとか言われても、何それ食えるの?おいしいの?というのが世間のフツーの感覚であると、みんなが思っているからこういうことになるわけです。

強制わいせつと言っても何も悪いことだと思っていない世間で、一生懸命これはセクハラだけしからんでしょと言ってるような、妙な徒労感を感じさせる記事ではありますな。

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コメント

「これは悪質な不当労働行為なんだ、労基法違反なんだ」と、記者会見で強調しても、なぜか記事にはならない。

記者には、「それではデスクを通らない」と言われてしまいます。

濱口先生も先刻、ご承知のとおりのとおり、「パワハラ」とか「ブラック企業」とかであれば、記事になるんですね。これが。

いやまさに、そこに問題があるわけです。

nopiraさんという方の表現を使えば、

https://twitter.com/nopira/status/505213808889970688


パワハラされたと言われたら爆発する世論も、不当労働行為をされたと聞いてもスルーする …かえってややこしいアカと思われて敵が増えるかも


というわけで、話は労働教育の必要性につながっていくわけです。

 リンク先の記事を見ましたが、ここでパワハラと言っているのは

>そのことを知った高野社長は、前日の21日に急きょ仙台市を訪れ、仙台店の従業員15人や店長らを飲食店に集めたうえ、この女性従業員に対して2時間半にわたり話し続けたという。

という部分に対してであって、濱口先生が仰る

>これって、端的に、労働基準法をわかっていて平気で違反して、不当労働行為をしているということなんであって労働法の基本中の基本なんであって

の部分ではないと、私は読みました。

 厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」によると、職場のパワーハラスメントとは、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう。」としていることを確認しました。
 記事中において

>女性従業員は記者会見で「(周囲の)全員があたしと院長を見ている中で2時間半、至近距離で名指しされて。恐怖でした」と話した。この従業員は精神的ショックを受け、出社できない状況が続いているという。

と書いていますので、上記のパワーハラスメントの定義に該当すると思いますし、該当する以上、パワーハラスメントという言葉を用いてもおかしくないと思います。

 賃金不払残業はもちろん労働基準法違反ですが、それとは別に、高野氏の女性従業員に対する言動等はパワーハラスメントという言葉が適切だと思いますし、逆に労働基準法違反としては問えないはずです。

記者会見で弁護士の人がパワハラと言ってましたよ.ちゃんと1次ソースぐらい確認したほうがいい

ここで濱口さんが言いたいことは、「弁護士がパワハラと言っていた」とか言う話ではなく、法律的な論議もないままで、「パワハラ」という言葉が一人歩きをしていることに対する、懸念だと思うのですが。

最近、橋爪大三郎さんの「はじめての言語ゲーム」という本を読んだのですが、この中で橋爪さんは法律の一時ルールと二次ルール、について書いています。

これを野球に置き換えると、「草野球をする際にはわざわざ明文化された、ルールブックは必要ではないが、プロ野球をするためには、「ルールブック」が必要になる。

これは、誰もが知っている一般的な野球のルールが一次ルールとしてあって、草野球がその一次ルールに従うからだ。

ただし、プロ野球では一次ルールだけでは足りず、それを補強するための二次ルールが必要になり、一次ルールと二次ルールを明記するために、ルールブックが必要になる」。

こういう趣旨のことが書かれています。
これを、今回の話にあてはめると、労基法に関することをスルーして、単純に「たかの友梨」サイドがしていることを「パワハラ」だというのは、「草野球」をしているのと、同レベルではないでしょうかね?

それに対して、「たかの友梨」サイドが「プロ野球」レベルのことをしてきたら、どう対抗しますか?

あと、渡邉美樹氏の「会社は家族である」という発言を絡めて今回の件を考えると、構造的には「パワハラ」というよりも「児童虐待」に近いのではないでしょうか。

要は、「会社は親であり、従業員は子供なんだから、子供は親の言うことを聞くのが当然だ、親の言うことを聞かない子供には、折檻やお仕置きをしてもいい」、そういう発想が、会社側(経営者)にあるのが問題なのではないですか?

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