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2014年8月25日 (月)

『若者と労働』への短評二つ

Chuko『若者と労働』への短評が二つ続きました。

一つはAmazonレビュー。「千人同心」さんの「わが身、わが子の就活ためにも、有益な一冊」。

http://www.amazon.co.jp/review/R2YG5ZKZ8VIYZG/ref=cm_cr_pr_perm?ie=UTF8&ASIN=4121504658

hamachan先生の新書、3冊目です。
若年者就労問題を主題に掲げています。わたくしは若年者ではなく一介の「中年をとこ」ではありますが、40を過ぎたあたりから自分の就労環境の変化に敏感になっています。
若年層で起こっていることは、役員はおろかライン部長にすらなれなくてグループ企業や取引先企業に放り出される中年ビジネス・パースンにも身近な問題です。
出向転籍って、グループ企業人事での人物評が固まっているぶん、新卒採用や中途採用よりも厳しい就労環境にあると思います。hamachan先生の本やブログを読むと、不安な足元を明りで照らされるような、心強さを感じます。"

中年の方向けには、よりぴったりの『日本の雇用と中高年』もございますので、併せてお読み頂ければ幸いです。

もう一つは読書メーター。「Noriko Kawamura」さんです。

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/40625487

日本の雇用システムがどういった理由でこうなったのかまとまって勉強できました。 職能型と職務型、字は似てるのに教育から何から何まで違いすぎる! 今まで両者をごっちゃにして考えてたとこがありました。 海外サービスを参考にするにしてもこの土壌の違いを知った上で考えないとなと。また最後の解決策にはプラスで「人生こうしていきたい!」と自分自身で描けるような、それこそちっちゃい頃からの教育を変えないと、意思もなくただレールの上に乗るだけという状況が生まれて結局不幸せな若者を量産するんじゃないかと思いました。

職能型と職務型は、なまじ字面が似てる分、中身が正反対なので、よくわかっている人とわかってないくせにくっちゃべってる人を見分けるのに有効です。

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コメント

職能型と職務型についてですが、アラン様のブログのコメント欄に、「デヴィッド・マースデン氏の「雇用システムの理論」」について書かれていて、調べてみたら、雇用形態は「職務ルール、職能ルール、職種ルール、資格ルール」の四つに分類されるととのことでしたので、その関係でしょうか?

この分類によると、日本は「職能ルール」でドイツが、「資格ルール」、米仏が「職務ルール」イギリスが「職種ルール」になるとのことでした。

それて、「メンバーシップと江戸時代」で検索したところ、橋爪大三郎さんの「人間にとって法とは何か」がヒットして、その中に「家制度は徳川幕府が造り、江戸時代に村のメンバーシップが固定化された」という趣旨の、文章が書かれています。

雇用や労働と法律とが切り離せない以上、人と法律との関わりを、理解するためにも、「若者と労働」ともども「人間にとって法とは何か」を読んでみようと思います。

そうやって考えてみると、今の日本の抱えている問題は、日本がいまだに「江戸時代」から抜けきっていないことに原因がありそうです。

ただ、江戸時代の要素を全否定するわけにもいかないので、例えば、印刷においてcymbのバランスをコントロールしていろんな色を作るように、様々な要素をコーディネイトして、社会や労働市場を管理運営できる人物の登場が、必要なのだと思います。

投稿: 我無駄無 | 2014年8月26日 (火) 02時49分

とりあえず、「若者と労働」を読了しました。

これまで書いてきたコメントは、言ってみれば断片的なピースの寄せ集めという感じで、思い違いをしていたところが、多々ありました。

例えば「ジョブ型」の定義としては「職務遂行能力重視型」ではなく「職業遂行能力重視型」と考えるべきだったとか。

それと、日本においては「メンバーシップ型」の呪縛がいかに強力であるかということも理解できましたし。

この本に書かれた労働法の変遷は、いわば「「メンバーシップ型」という「怪獣」をどう倒すのか」、が目的だったと思いますが、結局はその怪獣がより強くなっただけ。

抗生物質をものともしない、多剤耐性菌のごとく。

むしろ、労働者を「怪獣」から守るための防具である「生活保障」が没収され、丸裸の状態で、「メンバーシップ」の前に並ばされている状態で、「メンバーシップ」から生まれた「ブラック企業」に餌食にされる。そういう若者の姿が浮かんできましたし。

あと、巻末で示された「ジョブ型正社員」は、確かに暫定的なものとして、有効なのだと思います。
それと、デュアル・システムも。

とはいえ、本当の意味で雇用のあり方及び、社会のあり方を変えていくためには、江戸時代から変わっていない日本人の「メンバーシップ型」のメンタリティーを段階的にでも、変えていく必要があると思います。

ただ、ここで重要なのは、排他的に○×で考えるのではなく、例えば、「メンバーシップ型」を「一次ルール」とし、「ジョブ型」を「二次ルール」として、結合させる「言語ゲーム」に則った、社会の創出であるべきでしょう。

それが、本当の意味での「デュアル・システム」だと思います。

投稿: 我無駄無 | 2014年9月 6日 (土) 19時31分

で、引き続き、「日本の雇用と中高年」を、読み始めたところです。

で、この本と、「若者と労働」の関係性は、いわば、推理小説における「問題編」と「解決編」のようなものでしょうか?

つまり、「若者~」で「若者と雇用」を中心とする、「メンバーシップ型」の社会の問題点をあぶりだし、「~中高年」でそれに対する具体的な解決への、道を探っていく。という。

いずれにしても、この本も読み終わった後で、また感想を書きます。

それと、一つ問題提起をしておくと、「日本人を動かすOSは何か」これを考えた方がいいと思います。

この「OS」が大元になって、「メンバーシップ型」の社会が、成立していると思うので。

投稿: 我無駄無 | 2014年9月 6日 (土) 23時14分

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