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2014年8月10日 (日)

『日本の雇用と中高年』へのネット上書評あれこれ

26184472_1拙著『日本の雇用と中高年』(ちくま新書)に対しては、8月に入っても引き続きいろんな方々による書評がネット上にアップされています。

http://ameblo.jp/sr-aimjinzai/entry-11900181235.html社長と社員が仲良くなる労働関係法令の活用法

若者世代に偏った政策や議論は、日本のこれまでの雇用習慣や社会保障のシステムに照らして考えれば、新たな矛盾や社会問題を生み出すことになるのではないか?

そんなことを考えさせられるきっかけを、この本から得られたと思います。

他の方もいろいろなサイトで書評を書かれていますので、特に多くは付け足すことはありませんが、日本の労働の現場で中高年が味わってきた雇用維持の危うさや年功制が崩れたあとの賃金制度の悲哀を、海外の制度とも比較してわかりやすく解説されています。

http://ameblo.jp/restartsupport2014/entry-11904607965.html人事部で働く皆様とともに~人事歴30年の人事職人が日頃思うこと

高齢者の問題は、高齢者本人のモラルだけではなく、その立ち居振る舞い・勤労意欲などの影響が職場の”現役世代”にまでマイナス影響として及ぶ危険性があるところが大きな課題です。

若い管理職のマネジメント上の最大課題が職場の高齢者社員の労務管理になるようでは、日本の将来も暗いです。

http://ameblo.jp/feelworks-maekawa/entry-11904633680.html前川孝雄の"はたらく論"

日本は一部の論者が指摘するような若者に厳しい労働環境ではなく、むしろ中高年にこそ厳しい労働環境である。

それは、年功序列型賃金で外からみると、長く働くことで得しているように見えるから、ということが繰り返し主張されています。

昭和の時代までのメンバーシップ型の会社組織はもう維持できないため、欧米型のジョブ型の会社組織を目指すべきというご主張。

元労働省で法律制定に関わってこられた著者だけに、政治と法律制定の歴史がとてもよくわかりました。

ただ一点惜しむらくは、マクロの政治・法整備視点に終始し、実際の働く人たちや経営者個人の本音や思いをふまえた、現実的な未来志向に乏しかったことでしょうか。

確かに、欧米との横並びを考えると、そう収れんしていくような気もするのですが、欧米が正しく、日本が間違っている、欧米が進んでいて、日本が遅れているという前提には同意できません。

僕は個人的には職務分掌をはっきりさせたジョブ型、職務給的な仕組みは日本には適さないと考えます。

なぜならば、日本企業の強みは和とチームワークを重んじ、現場での工夫改善を経営力につなげるところだからです。

http://d.hatena.ne.jp/dokushonikki/20140808アランの読書日記

本書に趣旨をまとめると、以下のとおりか。「日本型雇用システムは、若者に有利で中高年に厳しい。50年前はこのことが政策課題として認識され、ジョブ型(職務給)への移行が叫ばれていた。しかし現実には各企業は職能給型になっていった。その後知的熟練論がその状況を理論武装したが、実は現実を冷静に見る企業によって、中高年リストラが進行した。なので、中高年以降はジョブ型とすべきであり、高賃金でまかなっていた育児・教育費用は社会が負担すべき。」

まさにこのとおりと思う。しかし、著者の主張どおりに事を進めるには、企業の人事制度を変えるのみならず、教育・社会制度等、日本全体が抜本的に変わる必要があり、それは容易ではないだろう。また、「中高年以降」だけジョブ型にするなんて、都合のよいことができるかも不安だ。

ちなみに、最近求められている「女性活躍促進」は、ライフイベントでキャリア(育成)が中断しても活躍を目指すという点で、日本型雇用システムへの最後の一撃になると考える。著者の言うように進めていかないといけない時代かもしれない。

https://twitter.com/hinasoyo/status/497052613255258112

『日本の雇用と中高年』(濱口桂一郎)という労働省やEUで長く働いた方の本を読んでいる。面白いし勉強になる。うなずく、うなずく。

さて来月、海老原嗣生さんのニッチモ主催のHRmicsレビューで、私も中高年問題についてお話しをいたします。

http://www.nitchmo.biz/

9月8日(月)東京、26日(金)大阪 第19回HRmicsレビュー開催

ミドル雇用が進む、これからの企業経営術
少子高齢化で労働人口が減少する昨今。一方では年金支給開始年齢の引き上げにより、雇用延長が図られ、今後ますますミドル・シニア層を社内で活用する必要性が高まっています。そうした意味で、1980年代に完成した「40代で管理職→55歳で役職定年→60歳で雇用終了」というモデルは成り立たなくなっています。労働人口減少と雇用延長がもたらす人事課題。それを解くカギをレビューにてお届けいたします。
≪プログラム≫
Part1
【テーマ】「錆びないミドルと転職の自由」へのパラダイム
旧来の日本型モデルと、新たなミドル活用モデルは、「入れ替え」ではなく、「接ぎ木」型。その結節点にエグゼンプションという関門を設けること。結果、自由・自律・ポストベースの働き方が実現でき、それは、転職の自由にもつながることになります。
【講 師】本誌編集長 海老原 嗣生
Part2
【テーマ(東京)】高度専門人材とは異なる、現実的なミドル雇用モデル
中高年雇用を考える場合、その高給に見合うように、能力の方を再教育・再設計し直す話が叫ばれます。そうすれば、企業も雇用を保障するし、転職市場で仕事も見つかる、と。ただ、現実的解決策は、もっと別のところにあり、日本人が気付かねばならない変革は、そちらにあるのではないでしょうか。濱口節をお届けします。
【講師】濱口 桂一郎氏(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 統括研究員)
【テーマ(大阪)】日本型労働から脱皮するための条件
「誰もが課長」というキャリア観を廃し、ポスト数に応じた昇進を徹底させるとともに、スペシャリストとしての熟練を目ざすコースを新しく設計した場合、それに合わせて人事管理全般や働く人の意識も変えていかないと、ソフトランディングは難しい。本気で「脱日本型」を目指す場合、必要となる変更点について、明快に解説いただきます。
【講師】佐藤 博樹氏(東京大学社会科学研究所 教授)

若者を叩いたり、中高年を罵ったりというようなインチキな議論には飽き飽きした、真面目にこの問題に取り組みたい皆様のご参加をお待ちしております。

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