『月刊労働組合』7月号で拙著書評
労働大学調査研究所が発行している『月刊労働組合』7月号に、拙著『日本の雇用と中高年』の書評が載っています。評者は松本重延さんという方です。
http://homepage3.nifty.com/hamachan/20140708112539876.pdf
雑誌の性格から当然ですが、第5章に焦点を当てて紹介しています。
・・・第5章では、場当たり的な高齢者雇用政策の行き詰まりを解決する方法として、「ジョブ型労働社会」を提言する。ここでいう「ジョブ型正社員」は、中高年の職務(ジョブ)経験を生かし、評価する雇用制度である。これは、安倍内閣が進めようとしている「限定正社員」制度と一部重なる部分があるため、労働界からの疑問や批判もありそうだ。
しかし、現在の中高年の雇用不安や、企業の思いのままにリストラされ、人生を左右される現実をそのままにしてよいのか、という指摘は説得性がある。
「近年の『追い出し部屋』をめぐる動きを見ると、多くの中高年が信じてきたように、ジョブ無限定こそが雇用安定の基盤であるどころか、・・・『貴方に適した職務はないという結論に達しました』等と平然と言われてしまうのが実態」と指摘。そして、「そこに配転されても雇用契約上文句が言えないような労働者がその雇用形態にしがみついている」点にこそ問題の所在がある、という。
「ジョブ型正社員」は、そうした呪縛から中高年を救済する方法だと著者は言う。しかし、どんな制度を作っても、労働者が使用者に従属したままでは、労働者の権利は守れないという現実は、肝に銘じなければならない。
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