「ハローワークは嫌い、ダサい、行きたくない」そんな就職できない若者がハマる大手就職サイトの罠
ダイヤモンドオンラインの記事ですが、
http://diamond.jp/articles/-/56458(「ハローワークは嫌い、ダサい、行きたくない」そんな就職できない若者がハマる大手就職サイトの罠)
「ハローワークってなんかダサいよね」
「なんかオジサンがオジサンの就活の世話をしている感じ」
「陰気で暗いイメージ」
「年配者が通うところでしょ?」私が就職支援で関わった方々は、これまで就職が上手く行かなかった20代の男女がメインでした。一般的な統計は分かりませんが、少なくともそのほとんどの方がハローワークを敬遠していました。その主たる理由は、冒頭でご紹介したとおりです。
この後、具体的にハローワークと大手就職サイトの違いについて説明していきますが、読んでいくと、『若者と労働』で引用したあの学生たちの言葉が浮かび上がってきますね(p78~)。
http://sociologbook.net/?p=385
・・・それでも既卒を中心にハロワですぐに内定取るやつがたくさんいて、話をきくと確かに地味な中小が多いがなかなかのんびりした昭和な感じの会社も多くて、もうこれは職探しの手段としてはハロワ最高ちゃうん、って思って、苦戦してる学生にめっちゃ勧めてるんだけど、あれっと思うほど反応が悪い。
・・・もちろんハロワで見つかる会社にブラックがぜんぜんないっていう話ではぜんぜんなくて、そうなんじゃなくて、どうせ同じならムダに苦労することないと思うんだけど、っていうことやねんけども。やたらと競争率の高いところに行こうとして無理して長い期間しんどい就活しなくても、給料に差は無いんだから、ハロワで地元の中小企業探して、あとはのんびりと最後まで学生生活楽しんだらいいと思って、かなりアツくハロワ推しをしてるんだが、なんかあんまり反応がない。
・・・それで学生たちになんでハロワ行かないのって聞いたら、まあ聞いたらなるほどって思いましたけども、「ハロワに行くのって『職探し』って感じがするんですよー」って言われたときはびっくりした。いやお前らいまやってるの職探しやろ。違うのか。この学生たちの素朴な反応に、「就活」というものが、いかなる意味でも「就職」活動などではないという事実が、あまりにも露わになっていています。ハローワークは「職探し」をするところであり、自分たちがやっている「入社」のための活動とは縁のない世界だと思い込んでいるわけですね。
「入社」のための「就活」に振り回される学生たちから「職探し」と見下すようにみられるところまで、日本の法律が本来の姿として想定していたジョブ型「就職」の世界は社会の中で周辺化されていたということでしょう。
つまり、ジョブ型の「就職」はダサい世界であり、大手就職サイトに象徴される「入社」の世界こそがかっこいいという価値観ですね。
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