佐藤博樹,大木栄一編『人材サービス産業の新しい役割』
佐藤博樹,大木栄一編『人材サービス産業の新しい役割 -- 就業機会とキャリアの質向上のために』(有斐閣)をお送りいただきました。ありがとうございます。
http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641164338
派遣・請負就業の比重が高まり,職業紹介業を通じた転職なども増える中,人材サービス産業は存在感を増す一方である。この産業は,現代日本でいかなる社会的機能を果たしているか。広範な実証研究で明らかにし,働く人・企業双方のために克服すべき課題に迫る。
東大社会科学研究所の人材フォーラムの最後の成果となるようです。前身の人材ビジネス研究寄付研究部門以来の研究成果の最終決算ということでしょうか。
序 章 労働市場における需給調整の担い手としての人材サービス産業(佐藤博樹)
第1部 人材サービス産業による就業機会の質向上─働く人々の視点
第1章 事務系派遣スタッフのキャリア(島貫智行)
第2章 どうすれば時給が上がるのか(松浦民恵)
第3章 生産職種の請負・派遣社員の就業意識(佐野嘉秀)
第4章 生産分野の派遣スタッフの仕事・労働条件とキャリア,就労意識(島貫智行)
第2部 人材サービス産業が担う社会的機能─企業経営の視点
第5章 派遣会社の機能と課題(大木栄一・豊島竹男・横山重宏)
第6章 事務系派遣営業所の運営と課題(島貫智行)
第7章 派遣労働市場と労働派遣専門26業務適正化プラン(小林徹)
第8章 派遣先企業における管理職の人事管理と派遣スタッフの活用(大木栄一・平田薫)
第9章 生産請負・派遣企業の雇用維持と事業方針・人事管理(佐野嘉秀・大木栄一)
第10章 職業紹介担当者の能力ならびにスキル(坂爪洋美)
第11章 未就職卒業者を対象とした人材ビジネス企業のマッチング機能(山路崇正)
このうち、法政策という観点から興味深いのは、例の専門26業務適正化プラン、いわゆる長妻プランの影響を分析した第7章の論文でしょうか。
あと、職業紹介担当者の能力とスキルを分析した第10章の坂爪論文は、大変面白いものでした。
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