それはふざけてないのだよ、全然
http://bookserial.seesaa.net/article/402736510.html(こんなふざけた内容の求人があって良いのか? 国際文化会館図書室 司書)
何をふざけていると憤慨しているのかというと、
●雇用形態 アルバイト職員
●待遇 時給1000円
●勤務条件 1年毎契約更新
といういかにもそこらの非正規なのに、求めるスペックが、
・洋書目録の作成、つまりは目録規則を理解し外国語が読解ができるレベルが必要
・発注、受入、配架、除籍、装備、蔵書点検
・英語によるレファレンス、つまりは英会話ができるレベルの語学力が必要
・カウンター業務においても英語での対応が必要
・書類作成、経理などの一般事務
・PowerPointやAccessもできること
・応募理由も書いて提出しなくてはならない
・図書館勤務経験が5年以上
・司書資格が必要
とやたらに高いということなんですが、でもね、これって日本の雇用システムからすれば全然ふざけていないどころか、きわめて当たり前なのです。何でもやるメンバーシップ型正社員にはジョブ型の高度専門的スペックではなく、なんでもやれる意欲と潜在能力が重要である一方、ここまで限定されたジョブをこなす人材はメンバーシップ型正社員じゃない雇用形態でもって充てるのですから。
残念なことに、図書館という本来ジョブ型正社員という形態こそが最もふさわしいはずの職場であっても、メンバーシップ型正社員とジョブ型非正規労働者という二極構造以外のあり型がなかなか許されていないために、こういう(図書館という専門職という日本ではほとんど無視される観点から見れば)不合理な事態がやむを得ない帰結となるわけです。
この話は、去る4月22日に、早稲田大学メディア文化研究所 公共ネットワーク研究会の主催するシンポジウム「非正規公務員問題を考える」でお話ししたところですが、今度11月1日の全国図書館大会でもお話しする予定にしています。
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