フォト
2023年2月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28        
無料ブログはココログ

« 工藤啓/西田亮介『無業社会』 | トップページ | (あのとき・それから)昭和33年 終身雇用 会社と従業員は共同体 »

2014年7月11日 (金)

外国人労働問題をどう考えるか

WEB労政時報に掲載した「外国人労働問題をどう考えるか 」のうち、是非伝えておきたい部分をこちらに載せておきます。全文はリンク先を。

https://www.rosei.jp/readers/hr/article.php?entry_no=242(外国人労働問題をどう考えるか )

・・・・・・・・・

・・・ こうした外国人労働政策の転換の根拠のような形で示されているのが5月15日の経済財政諮問会議に提出された「選択する未来」委員会による中間整理です。
※経済財政諮問会議専門調査会「選択する未来」委員会『未来への選択』⇒公表資料はこちら
 http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2014/0515/shiryo_05_2.pdf
 
それによると、今後50年間人口減少が続き、今のままでは人口急減・超高齢社会が到来します。そこで、「人口減少下において成長力を高めていくため、高度人材をはじめ外国人材について国民的議論を進めつつ戦略的に受け入れ、外国人材との交流を成長・発展に活かしていく」(上記リンクの本文9ページ参照)というのです。
 
 その議論自体はおかしなものではないと思います。しかし、そこに付けられた「外国人一般について定住化を進める等の移民政策ではない」(同ページ参照)という注釈がかえって話をおかしくしているように思われます。
 人口減少を補うために外国人労働力を導入すると言いながら、一方でそれは移民政策ではないと言う。移民ではないということは、言い換えれば長期間使い続けながら日本人として扱わないよ、永遠によそ者として扱うよ、と言っているに等しいのです。そのような政策が持続可能なものといえるのでしょうか。
 おそらく、移民を入れると言ってしまうと猛烈な反発を食らう危険性があるので、移民ではない外国人労働力なんだということで切り抜けたいということなのでしょうが、移民でない、つまり日本人としての権利を認められないまま長期的に外国人労働者として膨大な人口が日本に存在し続けるということの潜在的なリスクをどこまで理解しているのか、大変気になります。
 
 ミクロなレベルで似た例を挙げれば、長期的に使う正社員じゃないんだ、臨時的に手伝ってもらう非正規なんだということで、10年も20年も非正規労働者を使い続けるのと似たような事態を、今度は国家的レベルでしかも外国人という下手をすれば外交問題になりかねない人々を素材にして実施していくことともいえます。
 「人口急減・超高齢社会」において、それを補う労働力を外国人労働者でもって充てるということは、日本の労働力の基幹部分をかなりの程度外国人労働者が担うということです。非正規労働者の基幹化ならぬ、外国人労働者の基幹化ということが議論されるようになる可能性も高いでしょう。下手をすれば、所長や店長は日本人だが、その下で働くのはみんな外国人ばかりなどという事態も考えられないではありません(現在の流通・サービス業における非正規の基幹化のように)。
 
 そういう社会において、なお移民ではないと言い続け、彼らに日本人としての権利を認めず、よそ者扱いし続けようという政策のリスクを、ここらでじっくりと考え直す必要性があるのではないでしょうか。彼らに、日本人としての権利を与えるとともに日本人としての義務も課していくという議論が、今日の日本にほとんど見られないことの潜在的な恐ろしさを、誰かがちゃんと論じてほしいと思います。

« 工藤啓/西田亮介『無業社会』 | トップページ | (あのとき・それから)昭和33年 終身雇用 会社と従業員は共同体 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 外国人労働問題をどう考えるか:

« 工藤啓/西田亮介『無業社会』 | トップページ | (あのとき・それから)昭和33年 終身雇用 会社と従業員は共同体 »