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2014年7月15日 (火)

岩波ブックレット『ブラック企業のない社会へ』

2709050岩波ブックレット『ブラック企業のない社会へ』をお送りいただきました。ありがとうございます。

http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/2709050/top.html

流行語ともなった「ブラック企業」については,社会全体の問題と受け止める必要がある.教育,福祉,医療,企業の人事など,さまざまな分野の人が協働して立ち上がった「ブラック企業対策プロジェクト」.その各ユニットが,被害相談,学生支援,鬱病の広がりへの対策など,現状分析と具体的な提言をおこなう.

著者が半端じゃなく多いので、目次を掲げておきます。

はじめに
Ⅰ ブラック企業対策プロジェクトの意義 今野晴貴
Ⅱ ブラック企業のない社会のために
1 労働相談の専門家にできること、すべきこと――相談ユニットから 嶋﨑 量
2 学校の教師・職員にできること、すべきこと――教育・就職ユニットから 上西充子
3 社会福祉とブラック企業――福祉・医療ユニットから 藤田孝典
4 人事担当者は、ブラック企業問題にどう取り組むか?――人事ユニットから 常見陽平
5 「ブラックバイト」問題への取り組み 大内裕和
6 「運動の実験室」――広報ユニットから ハリス鈴木絵美

この中で、特にすべての教育関係者に読まれて欲しいのは上西充子さんの文章です。

・・・翻って考えてみよう。彼らが自分の問題として労働法を学ぶ機会はあっただろうか?・・・

多くの学生は、高校時代には禁止されているか黙認されている状況で黙ってアルバイトに従事し、大学生になれば当たり前のように長時間のアルバイトに従事していく。その職場で何が起こっているのか、教員はあえて関心を持たない-それが実情ではないだろうか。

そのような状況の中で、学生たちは誰にも相談できないまま、理不尽な状況にも耐えるしかないのだと考え、何とかやり過ごしていく。同僚が罵声を浴びせられていても、職場の正社員が鬱状態で働いていても、何もできない無力感を抱く。

その延長線上に、孤独な就職活動がある。・・・

孤独な就職活動を経て入社した後には、洗脳的な研修や、仕事ができないという罵声や、疲労困憊する長時間労働が待っている。肉体的にきついというだけでなく、誰かに相談する、ゆっくり自分の状況を捉え返す、という心の余裕を奪われてしまう。・・・

学生がこのような状況に追い込まれていくことを、大学をはじめとする各学校の関係者は理解しているだろうか。理解しないまま、むしろ彼らを追い込んでしまっていないだろうか。・・・

教育の世界だけで通用するきれい事ばかりを語りたがる教育関係者ほど、こういう現実は見ない振りをしたがるのでしょうね。

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