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2014年7月19日 (土)

橘木俊詔『ニッポンの経済学部』

150501中央公論社より橘木俊詔『ニッポンの経済学部 「名物教授」と「サラリーマン予備軍」の実力』(中公新書ラクレ)をいただきました。

http://www.chuko.co.jp/laclef/2014/07/150501.html

「京大を蹴って阪大!?」「一橋商vs経」「早vs慶」「Ph.d.の値打ち」「なぜノーベル賞受賞者数ゼロか?」「底辺大は“実務偏差値”を上げよ」等々のトピックから、政策論議にも影響を及ぼす諸学風を歴史的に整理し、経済学の本質に迫る。教育・研究・人材力の観点で、各校の実力を徹底検証。

冒頭からいきなり、「ネコ文Ⅱ」とか「パラ経済」という言葉が出てきて、「なぜ経済学部生は勉強しないのか?」という問いが見出しに出てきます。

なぜこの本をお送りいただいたかというとですね。この中にこういう一節があるからなんです(35ページ)。

・・・この図表4をもとに、濱口桂一郎(労働政策研究・研修機構)は「『大学で学んだことは全部忘れろ、一から企業が教えてやる』的な雇用システムを全面的に前提にしていたからこそ、『忘れていい』いやそれどころか『勉強してこなくてもいい』経済学を教える」と鋭く指摘しています(濱口氏のブログより)。

拙著の一部が本や論文に引用されることは結構ありますが、さすがに本ブログの記述がそのまま橘木さんの本に引用されるとは思ってませんでした。いやいや。

せっかくですので、この本で一部引用された本ブログにおける経済学部の職業的レリバンスに関するエントリをも一度お蔵出ししておきましょう。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/post-f2b1.html (経済学部の職業的レリバンス)

・・・ほとんど付け加えるべきことはありません。「大学で学んできたことは全部忘れろ、一から企業が教えてやる」的な雇用システムを全面的に前提にしていたからこそ、「忘れていい」いやそれどころか「勉強してこなくてもいい」経済学を教えるという名目で大量の経済学者の雇用機会が人為的に創出されていたというこの皮肉な構造を、エコノミスト自身がみごとに摘出したエッセイです。

何かにつけて人様に市場の洗礼を受けることを強要する経済学者自身が、市場の洗礼をまともに受けたら真っ先にイチコロであるというこの構造ほど皮肉なものがあるでしょうか。これに比べたら、哲学や文学のような別に役に立たなくてもやりたいからやるんだという職業レリバンスゼロの虚学系の方が、それなりの需要が見込めるように思います。

ちなみに、最後の一文はエコノミストとしての情がにじみ出ていますが、本当に経済学部が市場の洗礼を受けたときに、経済学部を魅力ある存在にしうる分野は、エコノミスト養成用の経済学ではないように思われます。

というわけで、橘木さんの本でも、最後のところで

・・・それでは、二流、三流の大学出身者は何を“武器”にしたらいいのでしょうか?

と問い、

・・・二流、三流大学の学生たちには理論ではなく実技、実学を重視して教えるべきだということです。

と、レリバンスな提言をされています。

・・・入試偏差値が低いのだったら、いわば「実務偏差値」を高めるように教育を徹底すべきです。・・・

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