工藤啓/西田亮介『無業社会』
工藤啓/西田亮介『無業社会』をざっと読みました。彼らがまとめた『若年無業者白書』の内容を一般向けにまとめたもの。NPOを率いる工藤さんと、雇用問題とはちょっと違う視点からの研究者である西田さんのコラボレーションがうまくかみあっています。
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=16038
工藤さん担当の無業に立ち至った若者たちのストーリーは、POSSEのブラック企業の話を彷彿とさせるのがけっこうありますね。
特にケース1、「大卒後、超有名企業に入社も憧れた「ビジョン」と乖離する現場で苦悩」とか、ケース3「初心者歓迎のIT企業に就職も教育無し・休み無し・突然の退職勧奨」とか。
西田さんの社会学的分析は、拙著や今野さんの本とも共通するものが多いように感じました。「一度こぼれ落ちると圧倒的に不利になるシステム」という表現も出てきますね。
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先生の本・ブログの愛読者です。
ふと思ったのですが、出版社の方と相談され、漫画家の方とタッグを組み、先生の本を一般向けにわかりやすく説明する漫画を描かれるのはいかがでしょうか。
本だけだと、内容が非常に熟考されかつ専門的なものであるだけに、どうしても活字に抵抗がある層には伝わりにくいと思うんですよね。
どの本もより多くの人に知られて然るべき内容だと思います。社会のためにも意義がありますので、ぜひご検討いただけたら幸いです。
投稿: 愛読者 | 2014年7月12日 (土) 15時51分