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2014年6月 1日 (日)

Tomさんの『中高年』本書評

26184472_1_2今まで拙著に的確な書評を書いてきていただいているTomさんこと畠山奉勝さんが、ブログで『日本の雇用と中高年』に書評を書いていただいています。

http://tomohatake.blog.fc2.com/blog-entry-86.html(濱口桂一郎先生著『日本の雇用と中高年』を読み終えて。)

Tomさんは、「電機メーカーで35年間人事・労務を担当し、定年後はキャリアカウンセラーを経て、労働局監督課で4年間指導員を担当」という方なので、私が語ることの大部分を自らの職歴として経験しておられるので、その評語の一つ一つが現実に裏打ちされた重みを感じさせます。

いつもながら濱口先生の著書の一番いいところは、歴史的perspectiveの中で論理展開されていることです。目先の現象をみて感情論を展開する一部の経済学者などと対極の世界です。私自身が1967年から2004年の間、電機メーカーで人事労務を担当していましたので、当時の労務管理をなぞるような感覚で読ませてもらいました。

私が入社した前年、その会社は「仕事別賃金」と銘打ってマスコミの話題をさらっていました。当時、私の入った会社は週5日制など常にわが国のトップを切って、先進的な労務管理を展開していました。濱口先生が書いておられるように、職務給思想をめざしていたのです。製造現場の仕事については個々の職務を克明に分析し、「知識」、「習熟」、「肉体的負荷」、「精神的負荷」の4要素で評価・格付けした職務記述書を備え、事務技術職については担当者によって仕事の奥行が異なるため毎年1月15日付の担当仕事内容を作成させることによって、実際に担当遂行している「仕事」を評価していたのです。ただ面白いのは、このように格付けされた仕事ランクによって本給絶対額やや賞与絶対額が決定されるわけではなく、そのランクによって「昇給額」や「賞与支給率」が査定されるのであって、同じランクの仕事を担当していても、昇給回数(勤続年数)が多い従業員の賃金が高いという年功賃金なのでした。すなわち、所詮は年功賃金なのですが、何とか職務給的要素を取り入れようとしていたのですね。私は「仕事の格付け」の仕事を担当していましたので、その時期は膨大な職務分析・評価に追われぶっ倒れる寸前の残業で大変でした。・・・・・

そのスタンスは、私よりもすこしラディカルめなところにあるようです、その趣旨もこう書かれていますね。

濱口先生は中高年労働者に対しても優しいスタンスを保たれていますが、私は企業の中に居たからこそ、やや厳しく叱咤激励するつもりでいつも書かせてもらっています。

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