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2014年6月21日 (土)

過労死等防止対策推進法成立について

すでに報じられているとおり、昨日過労死等防止対策推進法が成立したようです。

これについて、POSSEの川村さんが的確な解説を書かれているので、紹介しておきます。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/kawamuraryohei/20140621-00036592/ (〈働きすぎ〉の基準は変えられる ~過労死等防止対策推進法は完璧か? 期待外れか?~)

2014年6月20日、過労死等防止対策推進法が成立しました。このニュースを見聞きした多くの方の関心にのぼるのは、「この法律ができたら過労死は無くなるのか?」ということではないでしょうか。

今後、法律の条文を見て「不十分」な点を指摘し、「期待外れ」だと評価するような評論もでてくるかもしれません。そうでなくとも、「この法律ができて何が変わるのか」、いまいちピンと来ない人がほとんどでしょう。過労死等防止対策推進法は、「これなら過労死が防げる」と評価できるような完璧な法律では(そういう法律があるかはさておき)決してないからです。

では、法律が成立したことに意味が無いのかと言えば、決してそんなことはありません。「マスコミに盛んに報じられている割に期待外れの内容だ」と結論づけてしまうのは、「これで過労死が無くなる」と考えるのと同じくらい早計です。

いい年してるくせに短絡的なことを言いたがる人もいるというのに、川村さん(や他のPOSSEの方々も)のこの落ち着いたおとなのスタンスはどうでしょう。

それは決して保守的なあるいは冷笑的なスタンスなどではなく、物事は一歩一歩進めていくしかないのだというプラグマティズムに裏打ちされた進歩主義というものの神髄を示しています。

・・・こうした経緯から知ってほしいのは、〈働きすぎ〉の基準を創ろう/変えようという運動が、約30年もの歳月をかけて現在の基準を作り出したという事実です。そして、現在の基準はゴールではなく、もっといいものへと置き換わるような暫定的なものだということです。

こうした「〈働き過ぎ〉の基準を変えるプロジェクト」の中に過労死等防止対策推進法を位置づけて考えてみると、過度な期待を寄せることとも期待外れだと嘆くこととも違う受け止め方が見えてくるはずです。

・・・このように一つの通過点として捉えると、この法律が万能薬になるのかどうかなどということは初めから問題ではなく、むしろ次にどうやって歩を進めればいいのかを考えるべきだということがわかります。

・・・まさしく、「これからどうするのか、どうなっていくのか」こそが見るべきポイントなのです。

話のフェーズは全然違いますが、こちらもこの法律の成立は「決着点」などではなくて「出発点」なのです。

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