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「教育再生会議:職業教育学校の創設提言」の源流

共同通信の記事で、

http://mainichi.jp/select/news/20140604k0000e040141000c.html(教育再生会議:職業教育学校の創設提言 高卒後に進学)

政府の教育再生実行会議が、高校卒業後に進学できる職業教育学校の創設を提言する方針を固めたことが、関係者への取材で分かった。職業教育を専門的に実施する新たな高等教育機関で、新設だけでなく、実績のある現行の専門学校の移行も認める。専門知識と技能を備え、卒業後は各職場ですぐに活躍できる人材の養成を目指す。

ドイツなど海外では、高卒後の進路として大学の他に職業訓練校が設置されている。日本では専門学校がこうした役割を担ってきたが、学校教育法第1条が「学校」として規定する小中高校や大学などの「1条校」には含まれないため、十分な公的財政支援が受けられず、運営や教育内容の質の保証に課題があるとされてきた。(共同)

というのが話題になっているようです。教育再生会議の資料を見ていくと、

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouikusaisei/dai19/siryou.html

4月3日の第19回会合で、

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouikusaisei/dai19/siryou1.pdf(高等教育、職業教育にかかる論点)

というのが提示されていて、ここに次のように書かれています。

(論点3)高等教育機関の多様化を踏まえ、その構造、年限等は、どうあるべきか。特に、質の高い職業人を育成するための職業教育制度(専門高校、高等専門学校、専修学校、大学等)は、どうあるべきか。
①職業教育制度の在り方
○ 職業教育の充実・高度化のため、職業教育を行う学校等の在り方について、どう考えるか。
・ 専門高校(高校の専門学科)、高等専門学校、専修学校、大学、短期大学における職業教育の役割、関係
・ 多様な学習ニーズや困難を抱える生徒に対応した職業教育の在り方
・ 教育機関間の編入学の拡大など袋小路の解消 等
○ 高等教育段階における職業教育について、どう考えるか。
・ 実践的な職業教育を重視した高等教育機関の意義、効果、社会的要請(分野ごとの人材ニーズ) 等
○ 高校段階から高等教育段階にかけての5年一貫教育についてどう考えるか。
・ 高等専門学校の分野の拡大
・ 専門高校の専攻科の活用
・ 専門高校・専修学校高等課程と短期大学・専修学校専門課程(専門学校)との連携 等

またここに貝ノ瀨委員の発言要旨というのもアップされていて、

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouikusaisei/dai19/t1.pdf

3.高等教育段階における職業教育の充実
○高等教育段階では、社会的な人材ニーズに対応した職業人の育成が望まれる。
大学・短大、高専、専門学校が担っているが、次のような課題が指摘できる。
・大学・短大:学術研究をベースとした教育を基本としており、企業等と連携した実践的な職業教育を行うことが主目的ではない。
・高専:高校段階からの一貫教育のため、高卒段階や社会人に対応した職業教育には対応していない。
・専門学校:制度上、教育の質が必ずしも担保されておらず、多様な学校が存在し、社会的評価が必ずしも高くない。
○こうした課題を踏まえ、質の高い実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の創設に向けた検討をすべきではないか。その際、産業界の人材需要をベースにすることで学習成果が社会的に評価され円滑な就職に結びつくようにすることが求められる。また、社会人の学び直しの拡大や、諸外国に比べて低水準である高等教育機関への公財政支出を拡大するなどの新たな財源確保も必要。
○職業教育の充実のための学校制度の複線化を図るとともに、進路変更の柔軟化(転学の機会拡大)や進路の複線化(高校専攻科からの大学編入学)を進め、自らの学びを柔軟に発展させられるようにすることが必要。

こちらはまさに「実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の創設」を訴えています。

多分この流れが共同通信の記者に流れて上の記事になったのでしょう。

ただ、本ブログを読んでおられる方はおわかりの通り、これは別に全然新しい話でも何でもなく、文部科学省の中央教育審議会の2011年答申で明確に打ち出されていたものです。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1301877.htm「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」(答申)

ここで、「職業実践的な教育に特化した枠組み」という名で打ち出されていたものが、いったんは専修学校の中のコースとして矮小化されていたけれども、再度本格的な制度として打ち出されようとしているいうことのようです。

この話の流れについては、昨年の『若者と労働』の中でも詳しく説明しておきましたので、未読の方はご参照ください。

なお、安倍総理大臣が先月OECDの閣僚理事会での演説で

http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/0506kichokoen.html

だからこそ、私は、教育改革を進めています。学術研究を深めるのではなく、もっと社会のニーズを見据えた、もっと実践的な、職業教育を行う。そうした新たな枠組みを、高等教育に取り込みたいと考えています。

と述べていたのは、これを先取りしていたのでしょう。

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