久しぶりに『新しい労働社会』にも書評
昨年、今年と新刊書が出ても、以前の本も着実に読まれ続けているというのは、書いた身としてはうれしいことです。昨今は新書本もその場限り、その時限りの書き捨て、読み捨て本が溢れていますが、こうして時々思い出したように書評がアップされるということは、そういうたぐいの本とは違うカテゴリーで読まれ続けているということを示しているようで、ありがたいことです。
アマゾンレビューでは、「K. ANDO」さんが5月28日付で、
http://www.amazon.co.jp/review/R2GZ7BU39IMW7V/ref=cm_cr_pr_perm?ie=UTF8&ASIN=4004311942
この本で学んだこと、インスパイアされたことは数あるけれど、長期にわたって記憶に残ると思うのは冒頭にある次の趣旨の一節。
「私は、社会問題を論ずる際に、その現実適合性を担保してくれるものは、国際比較の観点と歴史的パースペクティブだと考えています。空間的、時間的な広がりの中で捉えることで、常識外れの議論に陥らずに済みます。」
労働問題に限らず、今後自分で論を立てようとするときに、このことを銘記しようと思いました。
労働問題に限らず、とても有益な本だと思います。
と、ツボにはまる書評をしていただいておりますし、
読書メーターでは、5月10日付で「あんさん」さんが
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/37880124
労働問題は社会保障問題につながり、さらに教育から社会の成り立ち、最終的には社会正義や民主主義をどう考えるか、という所までつながっていく... 良し悪しは別として、特に欧米とは大きく異なり、しかも法制度と実態とが乖離している日本の雇用・労働慣行にも、それなりの歴史的経緯が... 少なくとも、一筋縄ではいかない複雑なテーマだということは理解できた。
続いて5月26日には「ELW」さんが
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/38309395
素晴らしい概説書。派遣、非正規、扶養手当などの問題がEUでの 扱いとともに紹介され、考えさせられるところが多かった。薬師院 仁志の『日本とフランス』を読んでおいて良かった。
と評していただいております。
なお、今月出した『日本の雇用と中高年』についても、ツイートでこういうコメントが:
https://twitter.com/retascag/status/470851746399399936
電シス序論の課題のために『日本の雇用と中高年』を読み進めているが、最初はムズいと思って読んでいたものの、総文で経営学とってるからか、なかなか興味深い内容でビックリ。
https://twitter.com/harahirohire/status/472323976027316224
濱口桂一郎『日本の雇用と中高年』読了。賃金がフラットなジョブ型労働契約と、年功賃金分の生計費を賄う普遍的な社会保障の組合せが目指すべき道なのだろう。しかし改革後の総コスト(賃金+社会保障費)が変わらない経営側と、年功賃金を正当な対価と考える労働者の間で改革主体が見つからない。
ついでに、これは何に対する評なのかよくわからないのですが、とりあえずここに並べておきます。外見に対する評価等ではないことだけは間違いないと思うので・・・。
https://twitter.com/mizuna3/status/469803557072281601
特に理由は言わないけど今さきほど私のハマちゃんこと濱口桂一郎への評価が急激に上がった。
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