アマゾンで『日本の雇用と中高年』に書評2つ
今月発行された『日本の雇用と中高年』(ちくま新書)に対し、アマゾンのカスタマーレビューが17日と20日にアップされています。7日のと併せて3つになりました。
「あきら」さんのレビューは「中高齢者の能力と処遇を考えるには最適な本です!!」というタイトルで、
ジョブ型、メンバーズ型という雇用のパターンを提起してきた著者ならではの本と言える。
これまでも従来の観念的な労働法制や解雇規制の浅薄な議論を批判し正してきた。
この本でも参考になる論点が相当記述されていて読み応えがある。
と述べつつ、
ただ ジョブ型社員というのは日本でどこまで一般化するのだろうか。
と疑問を呈し、
ある一定の仕事が指示され、それをキチンと遂行する以上のものを多くの職場で、多くの労働者に求めるのが日本の文化ではなかろうか。
それは地域や職種を無限定の旧来型の正社員により多く要求されたが、無限定な正社員野のみに要求されたり 無限定であるが故に求められたということでも無いように思える。
と論じた上で、最後に
何はともあれこの本は多くの課題を提起している。多くの人にすすめたい。
と薦めていただいています、
もう一人の「中西良太」さんのレビューは、「解雇自由化陰謀論への反駁:年齢給制度下で狙い撃ちにされる中高年勤労者層の日本的労働問題の解決策としてのジョブ型正社員」というタイトルで、
本書では、若者の概念は、前著よりも若い中高年をも包括した形になっており、中年フリーター達、いわゆる中年の非正規労働者たちも包摂したものとして濱口さんの分析が展開されている。・・・
と始めて、そのエッセンスをを次のように見事に論じています。
本書を読み解く際の、導きの糸となる最重要点は、日本型雇用=日本型経営においては、中高年労働者は、職務給=年齢給によると中高年であるほど熟練であるからそれだけ高給取りなのは当然として喧伝されるが、その反面、不況時に真っ先にリストラ対象となるのはまさにそのような中高年からという構造的矛盾が日本型雇用システムの不可避の選択となっている点である。つまり、経営側のご都合主義の論理は見事に破綻していることが、濱口さんにより鋭く指摘されている。
最後に、
本書は日本のすべての勤労者の方達の必読書です。
とまで言っていただいております。
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