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2014年5月31日 (土)

『改正労働契約法に企業はどう対応しようとしているのか』

Jil昨年11月に記者発表されたときに本ブログでも紹介した調査結果が報告書の形にまとまりました。渡邊木綿子さんの執筆です。

http://www.jil.go.jp/institute/research/2014/122.htm(改正労働契約法に企業はどう対応しようとしているのか―「高年齢社員や有期契約社員の法改正後の活用状況に関する調査」結果―)

改正労働契約法に企業はどのように対応しようとしているのか、有期契約労働者の雇用管理にどういった影響が及び得るのかを把握する。

昨年11月のエントリはこちらです。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-7763.html(改正労働契約法への企業の対応)

改正労働契約法における無期転換ルール(第18条)への対応方針を尋ねると、調査時点では「対応方針は未定・分からない」とする企業が最多だったものの、次いで多かったのは「通算5年を超える有期契約労働者から、申込みがなされた段階で無期契約に切り換えていく」であり、「適性を見ながら5年を超える前に無期契約にしていく」や「雇入れの段階から無期契約にする」と合わせると、何らかの形で無期契約にしていく意向の企業が、フルタイム契約労働者で42.2%、パートタイム契約労働者で35.5%にのぼった(図表1)。

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何らかの形で無期契約にしていく意向があるとした企業に対し、どのような形で無期契約にするか尋ねると、フルタイム契約労働者及びパートタイム契約労働者とも、「(新たな区分は設けず)各人の有期契約当時の業務・責任、労働条件のまま、契約だけ無期へ移行させる」割合がもっとも多かった(それぞれ33.0%、42.0%)(図表2)。次いで、フルタイム契約労働者では「既存の正社員区分に転換する」(25.9%)、パートタイム契約労働者では「正社員以外の既存の無期契約区分に転換する」(16.2%)の順に多く、正社員以外の無期契約区分を活用する割合は、既存・新設を合わせてフルタイム契約労働者で25.0%、パートタイム契約労働者では26.7%となった。

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改正労働契約法における有期・無期契約労働者間の不合理な労働条件の相違禁止ルール(第20条)に対応するため、雇用管理上で何らかの見直しを行ったか尋ねると、フルタイム契約労働者あるいはパートタイム契約労働者を雇用している企業のうち、「既に見直しを行った」及び「今後の見直しを検討している」割合は合わせても1割程度にとどまり、「見直しを行うかどうかを含めて方針未定」が半数弱、「見直し予定はない(現状通りで問題ない)」が3社に1社超にのぼった(図表3)。

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今般の労働契約法の改正を契機に、①有期契約の反復更新に係る上限を設定する企業が増えるのではないか、②正社員への転換制度・慣行に影響が及ぶのではないか、③有期契約労働者の活用自体が縮小するのではないか、などと懸念された反作用は、少なくとも調査時点では限定的であることも確認された。

政策的インプリケーションとしては、

•労働契約法が改正されたことに対する企業の認知度は高いが、内容についてはさらに浸透させていく必要がある。改正内容の認知度は、対応方針の明確化に寄与することから、無期転換申込権発生前後の混乱を避けるためにも、できるだけ速やかに浸透させることが重要である。

•調査時点では、無期転換ルールを回避しようとする企業は6~7社に1社程度と多くなく 、また、改正労働契約法に伴い契約の更新回数上限や勤続年数上限等を新設した企業も限定的であることが判明した。とはいえ、未だ対応方針を決めかねている企業も少なくない。今後も適宜、同様の調査を行いながら、引き続き動向を注視していく必要がある。

•今回の調査では、改正労働契約法が概ね前向きに受け止められている様子が浮き彫りになった。だが、今後、雇用調整が必要になった場合の対処方法や、正社員と有期契約労働者の間の仕事や労働条件のバランスの図り方などが、課題になるとみている企業も多い。無期化区分の雇用管理上の留意点や、モデルとなるような事例について、政策的に示していく必要性が改めて示唆された。

201406この調査結果は大変関心を持たれ、去る3月に開かれた労働政策フォーラムでも報告され、その概要が『ビジネス・レーバー・トレンド』の6月号ににも載っています。




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