しのびよる残業代ゼロ@毎日新聞
毎日新聞の本日の夕刊2面に、でかでかとほぼ3分の2を充てて「特集ワイド:続報真相 しのびよる残業代ゼロ 労働に新制度案 時間でなく成果で評価」という記事が載っています。江畑記者の記事です。
http://mainichi.jp/shimen/news/m20140523dde012010003000c.html
その中に、わたくしのコメントも載っているのですが、
・・・労働政策研究・研修機構の濱口桂一郎主席統括研究員は「日本では労使の話し合いによる36協定などで残業が認められるため、労働時間はいくらでも延ばせるのが現状。まずは労働時間の上限設定の議論が先だ」と警鐘を鳴らす。
文字通り、そういう趣旨なのですが、ただ記事全体が「しのびよる残業代ゼロ」ですからね。残業代ゼロなんかにかまけていないで、労働時間の上限規制こそ論じるべきだという趣旨がどこまで伝わったか・・・。その後に、年収の3割が消えるとか、モリタクさんの「サラリーマン消滅案」とかいう、残業代ばかりを煽情的に論じるコメントが並んでいるので、一緒くたに読まれるとなんだか意図と違うコメントになってしまっているように見えます。
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» 過労死防止法案:成立へ…衆院委通過 安倍は国際ルール無視の「労働時間と報酬のリンクを外す」 [自分なりの判断のご紹介]
安倍自民党独裁みたいな
何をやっているのかに見える
国会も、意識ある議員たちが
超党派で法案を作成する
ようなことを細々?とやって
いるんですね。o(^-^)o
過労死防止法案:成立へ…衆院委通過 国に実態調査促す
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浜口様、精力的な情報発信、著作の紹介、いつもありがとうございます。
毎日新聞はとっておりませんが、朝日新聞28日朝刊1面の記事の最後の方に「経済同友会が年収条件を外し、幹部候補に限定する修正案を出す」とありました。浜口さん、海老原さんなどの著作を読み、日本企業ではコアな人材はみんな「幹部候補」だと理解しています。このような財界の本音をみてしまうとやはりこの法案に懸念を抱きます。
もちろん、労働時間制限が重要なことは理解していますし、そういう方向に向かうべきとは思います。
投稿: arinobeizuru | 2014年5月28日 (水) 22時47分