ワレサ 連帯の男
作業が一段落したこともあり、岩波ホールにアンジェイ・ワイダ監督の『ワレサ 連帯の男』を見に行ってきました。
ワレサ役のヴィェンツキェヴィチがよく似ていて感じを出しているのと、妻ダヌタ役のグロホフスカの愛らしさがいい。もちろん、連帯運動がストーリーの中心なんですが、6人の子供を抱えて組合運動にのめり込む夫を支えながら時に怒りを爆発させる妻が話を締めています。
http://walesa-movie.com/main.html
私の世代にとって、ポーランドの連帯運動は、労働者のための共産主義体制という建前の足下で、労働者自身が反旗を翻したという意味で、たいへん重要な意味を有するものであったのですが、その運動がやがてベルリンの壁崩壊からソ連の消滅につながり、かつて共産圏なんてものがあったということ自体知らないような世代が続々と出てきている今日、その導火線としてこういう人がいたということ、インテリでも何でもなく、職業学校卒業の造船所の一電気工が一国の運命を、ひいては世界の運命を変えてしまったということは、改めてきちんと語られていいと思います。
本当は、労働組合の推薦映画にしてもいいんですがね。あんまりそういう関心はないのでしょうか。
ちなみに、本ブログでワレサに触れたことがあるのは:
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_cb60.html(グダニスク造船所閉鎖問題)
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-e274.html(ヤルゼルスキ宅でお茶するワレサ)
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今朝、ヤルゼルスキ将軍の訃報が流れていました。東欧の社会主義時代の指導者もほとんど鬼籍に入りました。ワレサ氏とヤルゼルスキ氏が並んでお茶を飲む姿は民主化のうねりに驚かされた世代としては、何とも感慨深いものでした。
投稿: いーちゃん | 2014年5月26日 (月) 22時26分