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2014年5月27日 (火)

過労死等防止対策推進法案

去る5月23日に議員立法で国会に上程され、本日衆議院を通過した過労死等防止対策推進法ですが、

http://mainichi.jp/select/news/20140528k0000m040046000c.html(過労死防止法案:衆院で可決、成立へ…傍聴の遺族、喜び)

過労死や過労自殺の防止対策を国の責務で実施する「過労死等防止対策推進法案」が27日、衆院本会議で可決された。法案は今国会中に成立する見込み。

改めて、その条文を本ブログにアップしておきます。

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g18601025.htm

過労死等防止対策推進法案

目次

 第一章 総則(第一条―第六条)
 第二章 過労死等の防止のための対策に関する大綱(第七条)
 第三章 過労死等の防止のための対策(第八条―第十一条)
 第四章 過労死等防止対策推進協議会(第十二条・第十三条)
 第五章 過労死等に関する調査研究等を踏まえた法制上の措置等(第十四条)
 附則

   第一章 総則

 (目的)
第一条 この法律は、近年、我が国において過労死等が多発し大きな社会問題となっていること及び過労死等が、本人はもとより、その遺族又は家族のみならず社会にとっても大きな損失であることに鑑み、過労死等に関する調査研究等について定めることにより、過労死等の防止のための対策を推進し、もって過労死等がなく、仕事と生活を調和させ健康で充実して働き続けることのできる社会の実現に寄与することを目的とする。

 (定義)
第二条 この法律において「過労死等」とは、業務における過重な負荷による脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡若しくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡又はこれらの脳血管疾患若しくは心臓疾患若しくは精神障害をいう。

 (基本理念)
第三条 過労死等の防止のための対策は、過労死等に関する実態が必ずしも十分に把握されていない現状を踏まえ、過労死等に関する調査研究を行うことにより過労死等に関する実態を明らかにし、その成果を過労死等の効果的な防止のための取組に生かすことができるようにするとともに、過労死等を防止することの重要性について国民の自覚を促し、これに対する国民の関心と理解を深めること等により、行われなければならない。
2 過労死等の防止のための対策は、国、地方公共団体、事業主その他の関係する者の相互の密接な連携の下に行われなければならない。

 (国の責務等)
第四条 国は、前条の基本理念にのっとり、過労死等の防止のための対策を効果的に推進する責務を有する。
2 地方公共団体は、前条の基本理念にのっとり、国と協力しつつ、過労死等の防止のための対策を効果的に推進するよう努めなければならない。
3 事業主は、国及び地方公共団体が実施する過労死等の防止のための対策に協力するよう努めるものとする。
4 国民は、過労死等を防止することの重要性を自覚し、これに対する関心と理解を深めるよう努めるものとする。

 (過労死等防止啓発月間)
第五条 国民の間に広く過労死等を防止することの重要性について自覚を促し、これに対する関心と理解を深めるため、過労死等防止啓発月間を設ける。
2 過労死等防止啓発月間は、十一月とする。
3 国及び地方公共団体は、過労死等防止啓発月間の趣旨にふさわしい事業が実施されるよう努めなければならない。

 (年次報告)
第六条 政府は、毎年、国会に、我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況に関する報告書を提出しなければならない。

   第二章 過労死等の防止のための対策に関する大綱

第七条 政府は、過労死等の防止のための対策を効果的に推進するため、過労死等の防止のための対策に関する大綱(以下この条において単に「大綱」という。)を定めなければならない。
2 厚生労働大臣は、大綱の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
3 厚生労働大臣は、大綱の案を作成しようとするときは、関係行政機関の長と協議するとともに、過労死等防止対策推進協議会の意見を聴くものとする。
4 政府は、大綱を定めたときは、遅滞なく、これを国会に報告するとともに、インターネットの利用その他適切な方法により公表しなければならない。
5 前三項の規定は、大綱の変更について準用する。

   第三章 過労死等の防止のための対策

 (調査研究等)
第八条 国は、過労死等に関する実態の調査、過労死等の効果的な防止に関する研究その他の過労死等に関する調査研究並びに過労死等に関する情報の収集、整理、分析及び提供(以下「過労死等に関する調査研究等」という。)を行うものとする。
2 国は、過労死等に関する調査研究等を行うに当たっては、過労死等が生ずる背景等を総合的に把握する観点から、業務において過重な負荷又は強い心理的負荷を受けたことに関連する死亡又は傷病について、事業を営む個人や法人の役員等に係るものを含め、広く当該過労死等に関する調査研究等の対象とするものとする。

 (啓発)
第九条 国及び地方公共団体は、教育活動、広報活動等を通じて、過労死等を防止することの重要性について国民の自覚を促し、これに対する国民の関心と理解を深めるよう必要な施策を講ずるものとする。

 (相談体制の整備等)
第十条 国及び地方公共団体は、過労死等のおそれがある者及びその親族等が過労死等に関し相談することができる機会の確保、産業医その他の過労死等に関する相談に応じる者に対する研修の機会の確保等、過労死等のおそれがある者に早期に対応し、過労死等を防止するための適切な対処を行う体制の整備及び充実に必要な施策を講ずるものとする。

 (民間団体の活動に対する支援)
第十一条 国及び地方公共団体は、民間の団体が行う過労死等の防止に関する活動を支援するために必要な施策を講ずるものとする。

   第四章 過労死等防止対策推進協議会

第十二条 厚生労働省に、第七条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)に規定する事項を処理するため、過労死等防止対策推進協議会(次条において「協議会」という。)を置く。

第十三条 協議会は、委員二十人以内で組織する。
2 協議会の委員は、業務における過重な負荷により脳血管疾患若しくは心臓疾患にかかった者又は業務における強い心理的負荷による精神障害を有するに至った者及びこれらの者の家族又はこれらの脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因として死亡した者若しくは当該精神障害を原因とする自殺により死亡した者の遺族を代表する者、労働者を代表する者、使用者を代表する者並びに過労死等に関する専門的知識を有する者のうちから、厚生労働大臣が任命する。
3 協議会の委員は、非常勤とする。
4 前三項に定めるもののほか、協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。

   第五章 過労死等に関する調査研究等を踏まえた法制上の措置等

第十四条 政府は、過労死等に関する調査研究等の結果を踏まえ、必要があると認めるときは、過労死等の防止のために必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講ずるものとする。

   附 則

 (施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (検討)
2 この法律の規定については、この法律の施行後三年を目途として、この法律の施行状況等を勘案し、検討が加えられ、必要があると認められるときは、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。

 (厚生労働省設置法の一部改正)
3 厚生労働省設置法(平成十一年法律第九十七号)の一部を次のように改正する。
  第四条第一項第四十七号の次に次の一号を加える。
  四十七の二 過労死等防止対策推進法(平成二十六年法律第   号)第七条第一項に規定する大綱の作成及び推進に関すること。
                   「労働保険審査会                     
  第六条第二項中「労働保険審査会」を               に改める。         
                    過労死等防止対策推進協議会」              
  第十三条の次に次の一条を加える。
  (過労死等防止対策推進協議会)
 第十三条の二 過労死等防止対策推進協議会については、過労死等防止対策推進法(これに基づく命令を含む。)の定めるところによる。
 (アルコール健康障害対策基本法の一部改正)
4 アルコール健康障害対策基本法(平成二十五年法律第百九号)の一部を次のように改正する。
  附則第七条のうち厚生労働省設置法第六条第二項の改正規定中「労働保険審査会」を「過労死等防止対策推進協議会」に改める。
  附則第七条のうち厚生労働省設置法第十三条の次に一条を加える改正規定中「第十三条の次」を「第十三条の二の次」に改め、第十三条の二を第十三条の三とする。

     理 由
 近年、我が国において過労死等が多発し大きな社会問題となっていること及び過労死等が、本人はもとより、その遺族又は家族のみならず社会にとっても大きな損失であることに鑑み、過労死等に関する調査研究等について定めることにより、過労死等の防止のための対策を推進する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

とりあえず、法政策的には、

第五章 過労死等に関する調査研究等を踏まえた法制上の措置等

第十四条 政府は、過労死等に関する調査研究等の結果を踏まえ、必要があると認めるときは、過労死等の防止のために必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講ずるものとする。

という規定が今後どういう風に展開していくことになるかを、とりわけ労働時間法制の見直しの議論が急展開しつつある状況のさなかであるだけに、注目していきたいと思います。

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コメント

>労働時間法制の見直しの議論が急展開しつつある状況のさなかであるだけに・・・

時代の必然のような気がします。労働時間規制の第一義が「健康確保」にあることを、皆が認識してくれることを切に願います。

そういう趣旨を、本日もTBSのCS放送のニュースバードでもお話ししてきました。

https://twitter.com/tbs_newsbird/status/471476126439981056

 【放送予定】きょう午後3時からの『ニュースの視点』は「労働時間規制の緩和」を取り上げます。「時間」ではなく「成果」で評価する新たな制度で働き方はどう変わるのか?そのメリット、デメリットを労働政策研究・研修機構、労使関係部門統括研究員の濱口桂一郎さんに聞きます

なお、明日の朝TBSのあさチャンでも、この問題についてちらりと出る予定です。

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