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2014年5月11日 (日)

『DIO』293号

Dio連合総研の機関誌『DIO』293号をお送りいただきました。

http://rengo-soken.or.jp/dio/pdf/dio293.pdf

特集は「安倍政権の成長戦略を問う」で、

アベノミクスと労働法制の規制緩和 宮里邦雄………………4
逆機能する税・社会保障システム 大沢真理 …………… 10
中小企業の未来を閉ざす安倍成長戦略 黒瀬直宏 …………… 14

といった論考が並んでいますが、ここではhayachanこと早川行雄さんのエッセイ「文明の黄昏」を。

冒頭いきなり、

ミネルヴァの梟は黄昏に羽ばたく。ヘーゲル『法哲学』序文の一節だが、いかなる叡智といえども、事象の本質を認識し得るのは、その事象の終焉近くを俟たねばならないとの趣旨だ。マルクスはこれを批判的に継承し『経済学批判』の序言で、変革の時期を、その時代の意識から判断することはできず、現存する対立から説明しなければならないとして、生産力の発展が経済体制の桎梏に転化することを説いた。今日この対立は1%対99%の軋轢として極点に達しているかにもみえる。果たして私たちは、近代の頂点を極めた20世紀文明という事象の本質を、遂に知りうる地平に到達したのだろうか。・・・

と、ミネルヴァのフクロウが羽ばたいています。

いろんな人の名前が続出しますが、早川さんの歴史認識の基本はポランニーのようですね。最後のところで、

・・・ポランニーに倣えば、私たちは20世紀文明の終末に立ち会っているのかも知れない。暮れなずむ資本主義の黄昏を目の当たりにしたとき、ミネルヴァの梟は、その本質と現状を正確に認識できなければならない。20世紀文明の再生か超克か、進むべき方向を明らかにしながら、歴史の転轍機を切り替える、パラダイムシフトの秋が訪れている。

と語っています。私の基本枠組みも結構ポランニーで、かつてブリュッセル在勤時代に、当時連合総研におられた井上定彦さんと鈴木不二一さんが来られたときに、何の話の流れだったかポランニーの話になって意気投合したこともありました。

4623040720 ただ、私は20世紀文明の黄昏が直ちに資本主義文明の黄昏だとは思っていなくて、むしろ19世紀システム、20世紀システムに続く資本主義の第3クールに入っていくんだろうと思っています。それはどういう性格のものになるのか?このあたり、ちょうど10年前に『労働法政策』を出したときに、その序章として(あまりにも他の部分と不調和な)「労働の文明史」なんていう奇妙なエッセイ風の文章を書いた時以来、(どちらかというと目の前の政策論を中心に考えてきたため)実はあんまり深く突っ込んで考えてこなかったのですが、今回hayachanのエッセイを読んで、あらためて久しぶりに思いをめぐらせました。

 

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コメント

(自分でも紛らわしいので最初のHを大文字にしました)
DIO5月号の紹介ありがとうございます。ただ、何と申しますか、拙稿の部分はどうでもよかったのですが。
とはいえ、ご講評をいただきましたので舌(筆)足らずの部分を若干補わせていただきます。
ご明察のとおり、私もポランニーからはいろいろと学ばせていただきました(というか齧ったか舐めた程度ですが)。拙稿ではニューディールだけを取り上げましたが、周知のようにポランニーは19世紀文明崩壊への解答として、ほかにファシズムと社会主義を上げています。ファシズムは論外として、ポランニー自身がニューディールと社会主義のどちらにどのように肩入れしていたのかは、不勉強もあってよく分かりません。
hamachanの言う、20世紀システムに続く資本主義の第3クールというのは、端的に言ってわたしも「あり」だと思っています。拙稿で「20世紀文明の再生か超克か」などと大仰なことを書いたのはまさに、第3クールの可能性もあるなとの思いです。もっと言いますと「暮れなずむ資本主義の黄昏」と書いて、単に「暮れゆく」としなかったのは、暮れそうで暮れない黄昏のまま、北欧の白夜のように再び朝を迎えることもあろうかと思っているからでした。
ただ、どちらの方向に向けて転轍機を切り替えればよいのかは非常に難しい。いま話題を呼んでいるPikettyの "Capital in the Twenty-first Century"あたりが、何か示唆を与えてくれるといいのですが。

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