ホワイトカラー・オーラル・ヒストリー:団塊の世代の仕事とキャリア
も一つ労働関係のオーラルヒストリーをお送りいただいていました。こちらは中央大学企業研究所のワーキングペーパーです。
語り手は、日立製作所で社会プロジェクト推進本部次長までされた千代雄二郎氏。京大経済学部を卒業して、1972年に日立に入社して国鉄向けの営業に従事し、その後インフラ設備の営業や情報機器レンタル営業なども経験された方ということです。
どちらかというと、雑談っぽい雰囲気で話が進んでいってる感じで、さらりと読めます。
いろいろと面白い下りがありますが、たとえば、
千代:一般的にいうと、工場の主任技師、課長職ですね。この人たちは設計はしてません。してないというか、できない。もうできなくなったというのが正しいかもしれません。彼らがやっているのはお金だけです。お金の管理をやっているだけです。いいすぎかな?だから、課長職の人も現場の設計を離れ、実質マネジメントをしているということなんです。
清水:それは40ぐらいということなんですか。
千代:40ぐらい。
清水:早いんですね。
一つ苦情というか、注文ですが、巻頭に肩書き付きの谷口明丈さんと市原誠さんの前書きがあって、この二人はわかるんですが、本体に入って、いきなり、
清水:以前から、大学の友人たちとの呑み会で・・・・・・・
この清水さんって誰?状態。あと、久保さんとか梅崎さんとか、もちろん労働研究業界のわかる人はわかるでしょうけど、本書のどこにもインタビュワ側の一覧表がついていないので、どこの誰が聞いているのかこの本だけではわからないというのは、いかがなものでしょうか。
付いてきたお手紙によると、このシリーズは今後も、旭化成、伊藤忠商事、長銀、マツダ等々の仕事とキャリアについての聞き取りの結果を継続して刊行する予定とのことです。面白そうですね。
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