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2014年4月 2日 (水)

雇用政策基本方針

昨日、雇用政策基本方針が全面改正されました。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000042055.html

そのポイントは次の通りですが、

 

1 雇用政策の基本的考え方
 ビジョンの実現に向け、次の2つを軸として取り組む。 
 (1)社会全体での人材の最適配置・最大活用
  ○外部労働市場の機能強化に向けた「労働市場インフラ」の整備

    能力開発・能力の「見える化」、民間人材ビジネス、地方公共団体、公共職業安定所などの連携によるマッチング機能の最大化
  ○適切な雇用管理
    公正で納得できる処遇や、キャリア形成に配慮した人事配置

 (2)危機意識をもって「全員参加の社会」を実現
  ○働く意欲と能力のある者が参加することができるよう、それぞれに必要とされる支援を実施
  ○特に社会の担い手となる若者に対して総合的かつ体系的な枠組みによる支援を実施


2 雇用政策の基本的な方向性
 (1)「労働市場インフラ」の戦略的強化
  ○人的資本の質の向上と職業能力の「見える化」

    ・企業内、個人主導などさまざまな機会を捉えた職業能力開発の強化
    ・能力評価の「ものさし」を整備し、職業能力の「見える化」を推進

  ○マッチング機能の強化
    ・民間人材ビジネスなど外部労働市場全体でマッチング機能を最大化
   ・公共職業安定所ごとの評価制度の導入や公共職業安定所の改革・機能向上

  ○失業なき労働移動のための一体的な支援
    ・求職者・求人企業に関する情報の充実
    ・移動元企業の転職支援促進

 (2)個人の成長と意欲を企業の強みにつなげる雇用管理の実現
    ・労働者の主体性、内発性を引き出す雇用管理の実現
    ・企業内の労使コミュニケーションの活性化

 (3)「全員参加の社会」の実現に向けて
  ○全員参加の社会にふさわしい働き方の構築

    ・労働者の希望を生かした多様な働き方の実現
    ・「時間意識」を高め、「正社員=いつでも残業」を変えよう

  ○意欲を高め、全ての人に、仕事を通じた成長の機会を
    ・教育と雇用をつなぎ、あらゆる状況にある若者にキャリア形成のチャンスを提供
    在学中から就職後まで総合的、体系的な対策を推進
    ・「シニアの社会参加モデル」を構築
    さまざまな働き方や活躍する場の創造
    ・「女性の活躍は当たり前」という社会へ
    ポジティブ・アクションのさらなる推進
    ・男性の働き方にも多様性・柔軟性を
    家事・育児支援参加促進
    ・障害者などが能力と適性に応じて活躍できる社会を目指して
    福祉、教育、医療などから雇用への円滑な移行の推進
    ・さまざまな事情・困難を克服し、就職を目指す人たちを支援
    生活保護受給者、生活困窮者、ひとり親家庭、刑務所出所者などへの支援
    ・外国人材の活用により我が国の経済活性化を
    高度外国人材の受入・定着

 (4)良質な雇用の創出
    ・産業政策による積極的な雇用機会の創出
    ・サービス業など人手不足産業の雇用環境の改善
    ・地域の雇用機会の確保

ただまあ、性格上どうしても総花的な文書ですので、こう並べると何でもかんでも、という風に見えますが、基本的考え方の所を見ると、雇用政策をどういう方向にもっていこうとしているのかがかなりはっきりと現れています。

ちょっと長いですが、

第一 労働市場の課題と今後の方向性

企業と労働者を結びつける「外部労働市場」と、企業内で労働者と仕事を結びつける「内部労働市場」は、相互に影響しあいながら補完的に機能し、企業の労働需要を満たすように人材を配置している。

一 内部労働市場の機能と課題

企業内部における人材の長期的な育成と安定的な雇用は、企業の競争力の源泉であり、基本的には今後も重視されるべきである。産業構造調整や経営努力を阻害するような過度の雇用維持のための支援策は行うべきではないが、甚大かつ急激な外的ショックの際の雇用維持のための公的支援は、人的資本の散逸防止、労働者の生活の安定のために引き続き必要である。
ただし、内部労働市場については、労働者の主体的なキャリアの選択や専門性の深化が重視されていない、技術革新やグローバル化などの環境変化の中で、人材の内部育成だけでは間に合わないおそれがある、また、中高年正社員が過剰だと感じている企業もあるといった課題も指摘されている。

二 外部労働市場の機能と課題

グローバル化、IT化等により事業活動の新陳代謝のスピードが速まるとともに、事業の先行きについての不確実性が高まっている。その一方で、高齢化の進展とともに、労働者の職業生涯は長期化している。
こうした中で社会全体で人材の最適配置を実現するためには、外部労働市場を通じた人材の再配置機能の強化が必要であり、そのためには、能力開発・能力評価制度の整備、マッチング機能の強化、良質な雇用機会の創出が必要である。
このうち能力開発・能力評価制度及びマッチング機能は、これからの労働市場を支える重要な「労働市場インフラ」であり、その戦略的強化が今後の雇用政策の重要課題である。
一方、良質な雇用機会の創出への政策的支援は、産業政策が牽引役となることが期待される。
産業政策が、労働力供給構造に適合した良質な雇用機会の創出につながるものとなるよう、雇用政策との連携を図ることが重要である。

三 労働市場の今後の方向性

経済社会の変化に対応した労働力の最適な配置を実現するためには、企業内部の人材育成・配置・活用機能を改善するとともに、企業間の労働移動を支援する労働市場の機能強化と良質な雇用機会の創出を進め、内部労働市場、外部労働市場双方の機能の改善を図ることが必要である。
(それぞれの企業において内部労働市場と外部労働市場のベスト・ミックスを追求)
企業内部の人材育成・活用と、外部労働市場からの人材調達をどのように組み合わせるかは、それぞれの企業において決定されるものである。雇用政策としては、企業の様々な選択が可能になるよう、内部労働市場の改善のための企業の自主的努力への支援とともに、外部労働市場の活用が選択肢となり得るよう「労働市場インフラ」の整備を積極的に推進する。
また、外部労働市場の活用に向けて、企業において職務要件や労働条件の明確化などが行われることが望まれる。

リーマンショックのような外的ショックへの対応としては、雇用調整助成金のような内部労働市場維持型政策はやはり大事だけれども、産業構造転換への雇用対応は外部労働市場を通じた人材再配置とそのための労働市場インフラの整備でやっていくということですね。

これ、結構繰り返し出てくるキーワードが「労働市場インフラ」という言葉です。職業能力の「見える化」とか、マッチング機能とかを包括する概念として使っています。私も最近よく使っているのですが、その含意は、外部労働市場ってのは、自由放任でほっとけば勝手に発展するような代物ではなくて、それなりのパブリックな枠組み設計とメンテナンスをしていかないと、きちんとした形で機能してくれるわけではない、ということですね。この辺が案外判ってない人が多いので困るわけですが。

あと、、「正社員=いつでも残業」を変えようとか、いろんなことがそれこそ総花的に盛り込まれています。

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コメント

DIO5月号は私が編集担当です。特集は「安倍政権の成長戦略を問う」。寄稿者は渋いところで、弁護士の宮里邦雄さん、東大社研の大沢真理さん、嘉悦大学の黒瀬直宏さんの三方。5月9日にはアップされると思いますので、ご講評をよろしくお願いいたします。

なかなか興味深い取り合わせですね。
是非読ませていただきます。

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