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本庄淳志さんがドイツの解雇法制を説明@規制改革会議

去る2月27日に、規制改革会議の雇用ワーキンググループに静岡大学の本庄淳志さんが呼ばれ、ドイツの解雇法制について説明していたようです。

その時のペーパーがアップされています。

http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/meeting/2013/wg2/koyo/140227/item2.pdf(ドイツの解雇法制と日本法への示唆)

その「示唆」の部分を、引用しておきます。言うまでもなく本庄さんがどう説明したかは議事録を見ないといけないので、これはあくまで参考資料です。

Ⅳ.金銭解決の制度化に際しての留意点

Q. 金銭解決についてどのような解雇紛争をイメージするか。

(1)企業規模

・ 大企業:解雇規制は硬直的であるとの批判。理論的にも解雇回避措置の柔軟性によるところが大きい(≒予見可能性の欠如)。他方で,非自発的離職者層の転職市場は未発達(?)。

・ 零細企業:解雇を通じた雇用調整,転職市場の実態 → 金銭解決に親和的(?)。
・・・・・・
紛争処理機関によって解決金額に差があることは,本当に不合理かどうかは検討の余地(時間的コストの差,労働者層の差異)。 cf. ドイツ:零細事業所での適用除外。事業所組織法上の規制の違い。

・ ただし,同じ環境下であれば労働者間の不公平はなくす必要。雇用喪失によるコストの適切な算定が不可欠(外部労働市場の状況,社会保険制度,補償金額のあり方)。
・ 金銭解決の制度化:①労働者にとっても選択肢は広がるほか,②解雇の合理性審査そのものが現在より純化され(解雇無効という制裁の重さに配慮する必要がない),結果的に労働者の救済範囲は広がる可能性。

(2)労働者像

・ 原職復帰を希望する労働者に対する強制的な金銭解決については,感情的な反発が強い。ドイツ法との比較からも慎重な要件設定が必要。

・ 他方,不公正な解雇が横行する中での実質的な解決基準の必要性について,大方の賛同は得られるのではないか。
 固定的な水準設定は困難。少なくとも上限設定には慎重な配慮が必要(∵労働市場をめぐる状況の多様性)。他方,具体額の決定につき裁量が大きくなるとすれば,基準としての機能は減殺されるというジレンマ。
 集団的合意を通じた規制手法はあり得るが,正統性につき何らかの制度的担保は必要。

(3)解雇事由

・ 違法解雇の分類/制裁面での区別の重要性(大内先生レジュメ17)。そのうえで…
 日本型の人事管理において(職務と能力との対応関係が希薄で)人的性格が強いとすれば,被解雇者との信頼関係の回復可能性が低いものとして,あらゆる解雇について解雇制限法9 条のような金銭解決のニーズは大きい。また,一般論として,真正な整理解雇であれば金銭解決自体は不合理ではない。
 ただし,ドイツ法では比較的に限定的な運用:裁判所での解雇無効の判断が先行。使用者側申立てでの要件加重。労働者側にも当然に認められるわけではない。どちらかといえば,個別的な解雇紛争に親和的。

・ 他方で峻別の難しさ(ドイツ:職種別採用,事業所レベルでの人事管理/法規制。能力・適正の客観性,解雇回避の範囲の予見可能性)。日本型の人事管理において人的性格が強いとすれば,恣意的な運用の危険性も高い。
 だからこそ,制裁のあり方について裁判官の知見に委ねるというアプローチはあり得る(ドイツ型以外の金銭解決制度では,裁判官に広い裁量)。また,特に整理解雇については,被解雇者選定の公正さをいかに担保できるかがポイント(使用者の一方的決定 ⇔ 社会的選択,従業員代表の関与(集団法上の手続的規制など))。
 使用者に解雇事由の明示を義務づけるアプローチもあり得る(書面要件等)。また,1a 条のような規制であれば実質的にも峻別は不要。提訴期間一般を制限することには批判が強いであろうが,1a 条のような部分的規制であれば導入しやすいのではないか(ドイツでは1a 条には批判が多いが,提訴期間に関する原則的制限の有無という点で,日本とは前提が異なる)。
 「ジョブ型正社員」が普及すれば,区別は明確となる可能性(金銭解決制度が恣意的に用いられるリスクは低減か。導入の積極的理由ではないが,消極的理由の正統性は低下)。

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