自民党は今でもリベラルと名乗っている唯一の政党である件について
私がこしらえた「リベサヨ」なる言葉を巡って、コバヤシユウスケさんが長大な文章を書かれていますが、
http://d.hatena.ne.jp/yu-koba/20140228/1393551375(リベサヨ(リベラルなサヨク)からいろいろ考える)
「リベサヨ」という言葉は、hamachan氏がhamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)で使いだしたのだと思いますが、最近ではツイッターでもよく見かけるようになりました。とはいっても、hamachan氏が使いだしたときの意味とは、違う意味で使われているようで、どうもリベラルと左翼をいっしょくたにして「リベサヨ」と言っている人が多いようです。そもそも右とか左とか、イメージが先行して語られるので、人によってそのイメージにギャップがある。そこにリベラルまでくっついたので、ちょっと混乱してます。僕なんかより若い人は、左翼=リベラルというイメージがしっかり張り付いてしまっている人も多いようなので、たぶんhamachan氏が言わんとしたことが、いまひとつピンとこないのかもしれません。でも僕はこの言葉が、日本の政治思想の対立軸を考える上で、そしてヨーロッパの左翼を知る上でも、けっこういい切り口になるのではないか、と思ったので、ちょっとこの「リベサヨ」という言葉を掘り下げて、いじってみたいと思います。・・・
で、以下、ヨーロッパ近代における政治勢力の動き、労働運動の流れ、等々についてかなり詳しく説明していくのですが、さて、
でも、そこまでしないとわからない話なのかな・・・
と思ったりするわけです。
いや、アメリカみたいに、そもそもねじけた用語法が定着してしまっている国なら別ですよ、
でもね、日本は、少なくとも戦後半世紀間にわたって左右の二大政党の名前は、
右派のリベラル・デモクラティック・パーティ
と
左派のソーシャリスト・パーティ
だったんですよ。
いや、それどころか、今でも、安倍晋三首相率いる右派政党の名前は、堂々たるリベラル・デモクラティック・パーティであることに変わりはないわけなんですね。
現在、国会に議席を有する政党のうちで、政党名に堂々と「リベラル」を名乗っているのは、そのリベラル・デモクラティック・パーティだけですよね。
何でそんな国で、今更のように、「左翼=リベラルというイメージがしっかり張り付いてしまっている人も多い」てな話になるのか、
「リベサヨ」という言葉が、左翼のくせにリベラル・デモクラティックなことを言う奴、という至極当然の意味にとられることがないのか、
そしてそれが誰からも不思議がられないのか、
もちろん、それには訳があるわけで、それが、
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_a90b.html(リベじゃないサヨクの戦後思想観)
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_5af3.html(リベラルサヨクは福祉国家がお嫌い)
などで述べた戦後日本の歴史的な「ねじれ」であるわけですが、そういうことはとりあえず括弧に入れて、
「左翼=リベラルというイメージがしっかり張り付い」たまま、「リベ=サヨ」を目の敵にするいわゆるネトウヨの諸氏は、やはり一度、自由民主党の英語名を復誦してみるところから始めた方がいいのかもしれません。
https://www.jimin.jp/english/(Liberal Democratic Party )
« 道幸哲也・小宮文人・本久洋一『判例ナビゲーション 労働法 』 | トップページ | 女性の活躍? »
ソーシャルリベラリズム又は社会自由主義でggrksとしか。
投稿: h | 2014年3月 2日 (日) 13時10分