ブラック企業問題と日本的雇用システム
『立命館経済学』という紀要の第62巻第5/6号に、伊藤大一さんの「ブラック企業問題と日本的雇用システム」という論文が載っています。
http://ritsumeikeizai.koj.jp/koj_pdfs/62508.pdf
目次
はじめに
1 「少数精鋭主義」としての終身雇用(長期雇用慣行)
2 「少数精鋭主義」を先鋭化させる年功賃金
3 「少数精鋭主義」からブラック企業への転化
おわりに
ブラック企業が生成してくるメカニズムをわかりやすく説明していて有用です。
このようにブラック企業問題は,日本的雇用システムを母体とし,90年不況の後に形成された新たな条件の中から生み出された問題なのである。つまり,日本的雇用システムのもつ「影」の部分を最も「黒く」染め上げた問題がブラック企業問題なのである。そのために,個別企業の労働条件の過酷さを告発し,批判を加えるのみでは解消の難しい根深い問題でもある。
経済学者にも雇用システムを理解していない人がいることを指摘している注もあります。
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