雇用問題の必読にして入門書
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/36222587
雇用問題の必読にして入門書。「仕組み」から丁寧に詳しく書かれているので、非常にわかりやすく納得できる。前にも何かで読んだが、日本は「就社」の国なんですね。そのシステムが崩壊しつつあるので、著者が提唱する「ジョブ型正社員」の導入は魅力的に思う。職業訓練をしたいな、と思う。ハローワークがすごい魅力的な施設に思えてくる。もっとも、理想と現実とは異なるからの本書な訳で…… 何にしてもやっぱ机上の空論じゃ駄目で行動しないといけないのな、と痛感する今日この頃です。
それから、少し前にブクログで、こういう書評をいただいていました。
http://booklog.jp/users/tagutti/archives/1/4121504658
就職問題を歴史的に政治的にきちんとまとめた書。やや冗長なところもあるが、内容からいってそれを入れないと分かりにくくなるため、しょうがないか。
欧米の「ジョブ型」社会と日本の(特異な)「メンバーシップ型」社会。1960年代の高度成長が生み出した歪んだ就職を生み出した(「就職」ではなく「就社」)。2000年代に入って、貿易だけでなくこうした就職もグローバル化し歪みが一気に表面化したが、政治はそれに追いついていないし、是正する気もないように見える(それは今の「正社員」のみを優遇するため=それを良しとする一流企業を保護するため)。
第7章で著者は対策を挙げているが、高校教員としてはあとがきにある、「教育現場で『労働法制』をきちんと教えること」をどのように実施できるかが気になった。現在のような「大学入試」のための教育では、なかなかそこまで教えきれない(「現代社会」という授業が唯一の砦か?)ので、自分の持っている「日本史」の現代史の、高度成長期あたりで触れることになるだろう。そうした地道な努力では、なかなか深化しないかもしれないが…
« 岩村・中山・宮里『実務に効く 労働判例精選』 | トップページ | 労働時間指令における「経営管理者」の意義 »
コメント