エリート教育と、普通の人がクリエイティブに働ける教育の両立を
岩波書店から出ているシリーズ大学の最終巻(第7巻)『対話の向こうの大学像』をお送りいただきました。いつもありがとうございます。
http://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?isbn=ISBN978-4-00-028617-6
「開かれた大学論」のために設定した最終巻では,今後のありうべき大学像,知の変容と大学ランキング症候群のゆくえ,経済界が大学に望む人材育成,行政による財政支援の論理など,重要テーマについて研究者,財界人,現役財務官僚らと討論.各巻の論点を振り返りながら,シリーズ全体を総括する.[寄稿と座談会への参加=松浦良充・小林信一・神田眞人・浦野光人]
討論が面白いのは、やはり現役財界人、現役財務官僚が登場する3つめ、4つめの座談会です。とりわけ、労働関係者からすると、ニチレイの社長、会長を務めて今相談役の浦野光人さんのはいった座談会は必読と言えましょう。
この座談会のタイトルが、本エントリのタイトルそのものでもあり、この座談会で浦野さんが語った言葉そのものでもあります。
・・・一つは、英米のような労働者階級は作りたくないという思いはあります。アメリカのように超エリートだけが頑張って「お前らついてこい、食わしてやるからな」という社会にはできるだけしたくない。一方で日本の場合、従来型のトップは必ずしもクリエイティブではありません。・・・
・・・でもいかんせん、社会的な条件や自分の受けてきた大学教育などを鑑みると、もういままのままではグローバル化の中で太刀打ちできないなというのが実感です。・・・だからこそ、教育を変えていきたいのです。広田さんの質問に対しては、「両方やりたい」という答えになります。トップの教育と普通の人をクリエイティブにする教育と、両方ともやりたい。・・・
« わかっている人とわかっていない人 | トップページ | イタリアの退職願付き採用に規制(再録) »
コメント